「腰痛」と聞くとぎっくり腰やヘルニアを連想しますが、これらはかなり症状が進んだ(もしくは急性の)腰痛です。
 
外傷によって発症することもあり、痛みが激しかったりしびれを伴うこともあります。


 
こうした明らかな原因以外の腰痛のほとんどは血行不良によるものだと言われています。
 
このコンテンツでは、そうした腰痛についてと、その対策としてコルセットなどの道具を使うことの是非をまとめています。

血行不良で痛みが発生 解消に最もお手軽なのは

同じ姿勢や動作を長時間続けると、動く筋肉と動かない筋肉がはっきり分かれてきます。
 
動かない部分は血流がスムーズに行かなくなり、筋肉が萎縮したり、こわばったりして神経を圧迫します。
 
すると痛みを感じるようになります。この現象が腰で起きると腰痛になるわけです。
 
「ちょっと腰が痛かったけど、2~3日したら治った」という経験はないでしょうか?
 
これは血行不良から回復して筋肉のこわばりが解消したと考えられます。
 

 
若いうちは一晩休めばOKだったものが、年齢が進むにつれて回復がだんだん遅れるようになります。
 
特に女性は筋肉が少ないこともあって血行が滞りやすく、30歳を過ぎると腰痛の発症率がぐんと高くなります。
 
「腰は身体の要」なんてことが言われますが、現代の生活では腰は意外と運動不足になっています。
 
歩くことも少なくなっていますし、肉体労働の仕事をしない限り足腰を使う作業を全くせずに一日を過ごすことも可能になりました。
 
これは座っていても立っていても同様で、じっとしている限り腰の筋肉を積極的に使う機会はあまりありません。
 
こうした腰痛を防ぐためには、腰の血流を促す、すなわち腰の筋肉を動かしてやる必要があります。
 
そのために最もお手軽なのは歩くことです。
 
両手を腰にあてて歩いてみて下さい。腰の筋肉が動くのがわかると思います。デスクワークでも定期的に休憩をとって歩くようにすれば腰の血行不良は防げます。
 
腰の筋肉(下部背筋)を鍛えたり、ストレッチするのも非常に有効です。
 
筋トレ本は男性用だけでなく、女性用のエクササイズ本などもたくさん市販されているので参考にしてみてはいかかでしょう。

腰痛即コルセット使用は正しいか?

以前、立ち仕事が多い友人から「最近仕事中に腰が痛くなるんだけど、コルセットとか使った方がいいかな?」という相談を受けたことがあります。
 
それに対する私の答えは・・・
 
「使うのはお勧めしない」
 
というものでした。
 
友人の話を聞いていたら、「血行が良くなれば回復する、一時的な腰痛」と思ったからです。
 
私の判断はどうやら正しかったようで、友人はその後回復したようです。
 

 
私個人的には、急性のギックリ腰といった場合を除いて、「腰が痛いからコルセットを使う」という考え方には懐疑的です。
 
「腰が痛いから、仕事中はずっとコルセットをはめている」といった、「慢性的な」使い方などはかなりヤバいんじゃないか?と思ってしまいます。
 
その理由は、なんと言っても
 
腰周辺の筋力が弱ってしまい、悪循環に陥る可能性があるから
 
に尽きます。
 
腰が痛いからとコルセットを巻いてしまうと、筋肉を使わなくても体幹が固定されてしまいます。「ラク」ができるために筋肉が弱ってしまい、ますます腰痛が悪化してしまいます。
 
結果的に、腰が痛むからまたコルセットを使って筋力が弱るという悪循環を招くことになりかねません。
 
同じことは、「姿勢を良くする」という姿勢矯正下着にも言えるのではないでしょうか。
 
何か特別な状況で短期的に使うのであれば問題無いと思うのですが、習慣として「使うのが当り前」になってしまうと良くないのではないでしょうか。
 
コルセットと同様に、姿勢を良くするための身体の機能が弱くなってしまいます。
 
「着るだけで姿勢が良くなる」ということは、姿勢を保持するための筋肉や神経を使う必要が無いことを意味します。これも「ラクできる」わけです。
 

 
姿勢矯正下着を使うなら、「自前」の姿勢保持機能を衰えさせないことを意識しておけば問題無いでしょう。ただし、習慣として「下着に頼った」状態なのは考えものです。
 
コルセットを常用している場合、「腰を保護しているつもりが、実は腰痛回復の妨げになっている」という可能性も頭に入れておく必要があります。
 
立ち仕事などで腰が痛くなった場合、安静にするよりも、休憩時に歩いたりストレッチするなど意識して動かした方が回復が早いと考えています。(ただし先述のように、ぎっくり腰など急性の腰痛では別です)