アラキドン酸は、よく知られているDHAやEPAなどと同じく必須脂肪酸です。

DHAが「脳に良い」と言われるように、アラキドン酸も記憶、学習、認知応答など脳の機能に良い効果をもたらすとされています。

海馬に多いアラキドン酸 動物実験では痴呆症状の改善も

アラキドン酸は体内に広く存在し、中でも脳の海馬に特に多いのがわかっています。
 
海馬は記憶を司る場所です。
 
いわゆる「物忘れ」も、海馬の機能が老化により衰えるからと考えられています。
 
つまり体内のアラキドン酸が十分だと「物忘れ」を抑制できる可能性があるのです。
 

 
高齢で痴呆症状が見られる犬にDHAとアラキドン酸を投与したところ、痴呆症状が2週目から改善し始め、6週後には有意な改善効果が確認できた、という実験結果があります。
 
体内のアラキドン酸は年齢と共に少しずつ減少していきますが、体内ではほとんど生産されません。
 
そのため食事などから補給する必要があります。

アラキドン酸は肉に多い レバーや卵・鶏ももに 欧米では粉ミルクにも

DHAが魚類に多いのに対して、アラキドン酸は肉類に多く含まれています。
 
アラキドン酸含有量の多い食品(100gあたり)としては
 
・豚レバー 300mg
・牛レバー 170mg
・鶏卵(全卵生) 150mg
・皮付き鶏もも 78mg

 
といったものがあります。
 
アラキドン酸の一日あたり摂取量目安は240mgです。
 

 
いまはアラキドン酸のサプリメントも多数発売されており、欧米では粉ミルクにアラキドン酸を配合するよう推奨されています。
 
アラキドン酸は母乳にも含まれていて、胎児や乳児の神経・精神発育や、記憶・学習能力に影響を与えるとされています。
 
粉ミルクにアラキドン酸を加えることで子供の神経・脳の発育を促す狙いがあるのです。
 
欧米を中心に多くの国で、粉ミルクにアラキドン酸を配合する有効性が認識されています。