哲学者の(イマヌエル)カントが 規則正しい生活をしていて、近くの住人がカントの行動で時計を合わせた、という話は有名です。
カントの生活の様子や食事について紹介します。
(このコンテンツは平成23年4月6日 九州スポーツ新聞 若林利光医師のコラム「偉人たちに学べ 長寿への道しるべ」を参考にしています)
カントの規則正しい生活 スケジュールと献立(といっても一日一食)
カントの一日のスケジュールはこんな感じです。
・昼1時に昼食をとり、4時ごろまで談話
・その後は1時間ほど散歩
・夜は勉強し、10時には就寝して睡眠時間7時間を確保する
食生活にも特徴がありました。
・一日に食べるのは昼食のほぼ一食だけ
・肉、魚、野菜、果物などを仲間と一緒に食す
・チーズが好物だった
朝はお茶を2杯飲むだけで、お茶の後はタバコを吸ったそうです。
極めて規則正しい生活を送っていたカントでしたが、72歳になると体調を崩し、講義ができなくなりました。
76歳では歩行障害から散歩も難しくなり始め、78歳になると庭にも出られなくなり、転倒することも多くなりました。
こうした行動障害はパーキンソン病と考えられ、加えて認知症らしき物忘れも悪化していきます。
ヤハマンという一番弟子も判別できなくなるのです。
死の2週間ほど前から何も食べられなくなりますが、最期はワインを飲んで息をひきとりました。
享年79です。
200年以上も前の話であり、喫煙もしていたことを考えると、かなり長寿と言えるでしょう。
カントは多くの財産を残していました。
別にケチだったわけではなく、生涯独身で規則正しい生活に努めた結果の遺産でした。