近年取りざたされている「サラダ油は体に悪い」件についてお知らせします。
 
「リノール酸」と聞くと、「体にいい」と連想しませんか?

それが実は・・・

加熱されたリノール酸が変質して酸化物質に

私くらいの年代(40代)の方は、動物性脂肪より、植物性脂肪のほうが健康的というイメージをお持ちではないでしょうか。
 
バターやラードよりサラダ油を選ぶ、といったふうに。
 

 
しかし、その認識は変える必要があるかもしれません。
 
ネットでも紙媒体でも、ここ2年ほど「体に良い油・悪い油」といった記事が増えています。その「悪い油」の中に、サラダ油が分類されているのです。
 
個人的には、サラダ油は良くない、というのが定説になりつつある印象があります。
 
その理由は、サラダ油に含まれるリノール酸です。
 
体に良いイメージがあるリノール酸ですが、200度ほどに加熱するとヒドロキシノネナールに変化します。
 
これが良くありません。「毒素」としている記事もあります。
 
ヒドロキシノネナールには酸化力があり、
 
脳梗塞や心筋梗塞、糖尿病、がん、アレルギー
 
などのリスクを上げるのです。
 
さらには、脳の海馬を萎縮させ、もの忘れやアルツハイマー、脳血管性認知症の原因にもなり得ます。
 
現代日本で広く問題になっている病気ばかりではないですか?

すでに加熱されているサラダ油とキャノーラ油の問題点

「加熱せずに使えばいいのでは?」とも思えますが、サラダ油は生産の過程ですでに加熱されています。
 
大量生産されて流通している製品は、有害物質や臭いなどを除去するため、高温加熱処理が複数回施されているのです。
 
サラダ油の危険性を指摘している、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科の山嶋哲盛医師は、このように主張されています。

まずは最低3ヶ月、大量生産された安価なサラダ油をやめて、他の抗酸化作用が高い油を使ってみてください。
 
わりと早いうちに、脳と体がスッキリしてくることが自覚できるはずです。

ちなみに、サラダ油なみに多く流通しているキャノーラ油(菜種油)はリノール酸が少ないとされており問題なさそうですが、実は別の懸念があります。
 
白澤抗加齢医学研究所の白澤卓二氏によると、

キャノーラ油の原料となる菜種のほとんではカナダから輸入されていて、その菜種は遺伝子組み換えされた品種が使用されています。
 
遺伝子組み換え作物を長年食べ続けたら、細胞にどのような影響を及ぼすか分かっておらず、安全とは言い切れません。

おすすめの油とは?

それではどんな油が良いのか?という話になるわけですが、多くの記事では、動物性ならラードやバターを勧めてあります。
 
しかし、毎日の料理でこれらの油を使い続けるのは厳しくないでしょうか?
 
「ちょっと炒め物」とか「玉子焼きでも作るか」といった時、バターやラードを気軽に使う、という方は少ないはずです。
 
流通量が少ないときもありますし、「体に良い」と言われても、どうしてもイメージがイマイチなのも事実。
 
いきおい、植物油を選択するケースが増えるはずです。
 
先の山嶋医師は以下のような油を勧めています。注意点と共に紹介します。
 
■エクストラバージン・オリーブオイル
体の酸化を防ぐポリフェノールが豊富。ただし、製造前の段階ですでに酸化が進んだ、傷んだ実を使った粗悪品も多い。
 
■ごま油
含まれているセサミンは抗酸化作用が強く、加熱してもヒドロキシノネナールの発生が他の油と比べて圧倒的に少ない。焙煎(熱処理)していない生しぼりタイプを選ぶと、より安心。 
 
■こめ油
植物油では唯一ガンマオリザノールを含む。抗酸化力が非常に強く、酸化に強いビタミンEも豊富で、揚げ物料理におすすめ。ただし、透明のペットボトルに入っている安価な大量生産タイプは要注意。製造過程で溶剤処理・高温加熱の化学処理を行っている可能性あり。
 
■エゴマ油・アマニ油 
リノール酸の弊害を抑制するアルファ・リノレン酸を多く含み、炎症や中性脂肪の増加を抑える。便秘や動脈硬化、糖尿病、物忘れが気になるときにおすすめ。ただし、どちらも酸化しやすいため加熱調理には向かない。ドレッシングのようにそのままの使用が良い。 
 
ちなみにエゴマとは「しそ」のことで、アマニ油は「亜麻」の種を原料とした油です。
 
以上のいずれも、新鮮なうちに使いきることが大事です。古くなるほど、加熱時に多量の毒素が発生します。
 
いかがでしょうか?
 
家庭で使う油だけでなく、大量に流通している加工食品・惣菜などを考えると、注意すべき場面は多いのかもしれません。
 
私は現在、調理用油は「太白ごま油」とオリーブオイルにしています。
 
太白ごま油に関してはこちらに記事を書いています。
バターの代わりにマルホン太白ごま油
 
 
このコンテンツは雑誌一個人 2015年 5月号50~51ページ、雑誌週刊現代 2016年12/17号48~51ページを参考にしています。