最近は「身体を温める食品」として、ショウガはすっかりおなじみになりました。
芸能人の中にはチューブ入りのショウガを持ち歩いている人もいるとか。
ショウガの温熱効果は研究でも明らかになっています。
日本大学医学部の平柳要准教授によると、ショウガを10gとると30分後には身体に熱が発生し始め、摂取後3時間持続するそうです。
ショウガは加熱してから摂取すると、ショウガの温め効果をさらに強くすることができます。
平柳准教授の研究では
「ショウガは熱を加えられるとショウガオールという成分が多くなる。ショウガオールは高い温め効果を持っている」
ことがわかっています。
ここでの「加熱」とは炒めるような高熱でなくとも、普通に飲む味噌汁、あるいはポットのお湯程度の温度でもOKです。
ショウガに期待できるのは温熱効果だけではありません。
平柳要准教授によると、ショウガには脂肪燃焼を促す効果もあるそうです。
脂肪燃焼を促進してくれるのはショウガの辛み成分のひとつジンゲロンです。
ショウガを摂取した後に有酸素運動を行うと、別の辛み成分ショウガオールの血行促進効果とジンゲロンの作用が合わさって、脂肪燃焼効果がさらに強くなります。
またショウガには血中の中性脂肪や悪玉コレステロールの増加を防ぐ効果も期待できるのだとか。
ショウガはメタボ対策にうってつけの食品と言えそうです。
しょうが白湯の作り方や効果
インドの伝統医学アーユルヴェーダでは、胃腸を
「熱を生む力が最も強い臓器」
と考えるそうです。
「熱を生みだす器官」としてすぐ思いつくのは筋肉です。考えてみれば胃腸も筋肉であり、胃~大腸まで合わせると10m近い長さがあります。
つまり胃腸は「それだけ巨大な熱発生器官」なのです。
「身体(筋肉)をウォームアップする」という言葉があるように、筋肉が冷えていると本来の働きができません。
これはつまり、そのまま胃腸にも言えることです。冷たいものをとりすぎると、胃腸が持つ「熱を生み出す力」が弱まるわけですね。
胃腸本来の働きを妨げなければ全身が温まりやすくなり、血流が促されます。結果として代謝も上がり、老廃物の排泄もスムーズになるのです。
これに関連して、「白湯」を飲む健康法が注目されています。
内臓と温め、かつ刺激も無い白湯は、胃腸の健康を考えるとまさにもってこいの飲み物なのです。
白湯は単体でも身体に良い作用が期待できますが、さらに効果を高めるためにショウガを加える方法があります。
作り方は次のとおりです。
(2010年6月5日付の日経プラス1を参考にしています)
↓
ティーポットにショウガの薄切りを5~6枚入れ、沸騰したお湯を200ml注ぐ
↓
そのまま5~10分蒸らす
↓
カップに注ぎ、体温より温かいうちに飲む
ショウガ白湯を飲むには有効な時間帯があります。
まず、何はさておき朝イチは外せません。身体が乾いており、成分が吸収されやすいからです。
空腹時、入浴後に飲むのもお勧めです。
体質を改善させるためには一日二杯以上飲みましょう。
この「ショウガ白湯」は「日経ヘルス」の2010年5月号でも紹介され、読者からは
・お通じ改善
・体重減少
・ウエストのサイズダウン
といった変化が起きた、などの反響がありました。
白湯としょうがはいずれも簡単に手に入る、極めて身近な食材です。
体が冷えぎみなら、寒い季節の間だけでも、しょうが白湯を利用してみてはいかがでしょうか。