大相撲元小結で現在は相撲解説者の舞の海秀平さんは、力士としては小柄な体格のため、学生時代から体重をいかに増やすかで苦労しました。
 
舞の海さんが日本大学相撲部に入部した際、体重は70kgにも届いていませんでした。
 
大学生でも周囲は100kg超えばかりで、舞の海さんは「これでは相撲にならない」と感じたそうです。

体重を増やすことの必要性と、監督から「90kgになったら試合に出す」と言われたこともあり、舞の海さんは猛烈に食べ始めます。
 
食事の一例はこんな感じです。

 
・どんぶり飯5杯
 
 
・学食で二人前の食事
・立ち食いそば屋でうどんを間食
・授業の合間にシュークリーム
・生クリームをたっぷり入れたウインナーコーヒー
 
 
・再びどんぶり飯5杯
・寝る前に牛丼や弁当

 
元々舞の海さんは食が細かったそうです。そのため大食は非常に辛かったのですが、体重を増やしたい一心で食べ続けました。
 
努力が実って大学4年の時には体重が90kgになり、角界入りを決断するのですが、今度は身長制限という壁に阻まれることになります。
 
当時、大相撲の新弟子検査に合格するには身長が173cm以上必要だったのです。(現在は大幅に緩和されています)
 
舞の海さんは168cmでした。体重は増やすことができても、身長を伸ばすのはそう簡単ではありません。
 
そこで「頭にシリコンを入れて身長を高くする」という裏技を使うことにします。これは頭皮の下に袋を入れ、その袋にシリコンを少しずつ、1ヵ月かけて注入していく手術です。(現在このやり方で新弟子検査を受けるのは禁止されています
 
当然痛みは激しく、また顔の皮膚が上に引っ張られるため瞼を閉じることができなくなることもあり、睡眠も十分とれなかったのだとか。
 
これだけの試練を経て角界に入りますが、やはり小兵としてのハンデは大きく、体格差による負けは何度も経験することになります。
 
しかし体格をカバーする様々な技を見せ、「技のデパート」の異名をとり大変な人気を博しました。

舞の海さんの食事 子供の頃から魚介類中心で骨折知らず

舞の海さんは100kg以上重い相手とも何度も対戦し、ケガもしましたが、不思議と骨折は一度もしませんでした。
 
骨が非常に丈夫なのは、子供の頃の食事のおかげと舞の海さんは考えています。
 
舞の海さんは青森県の漁師町に育ち、食卓には魚介類がたくさん並びました。
 
味噌汁には煮干しの粉末が入っていて、お母さんからは「身体のためにカルシウムをとりなさい」と繰り返し言われたのだとか。煮干しは嫌いだったのですが、食事を残したり好き嫌いを言うと怒られたため、嫌々ながら食べていました。
 
ところが力士になって、激しい練習や取り組みでも骨折をしないのは小さい頃の食事のおかげだったのだと、ありがたみがわかったそうです。
 
現在では「実家の食卓は本当はとてもぜいたくだった」と思うようになり、食事は魚中心にしています。
 
一般家庭では魚を食べる機会が減っているそうですね。「調理が面倒」「子供が食べない」といった理由で食卓に出ることが少なくなっているのだとか。
 
私も時々料理をするので、「調理が面倒」あたりは何となくわかるのですが、「子供が食べない」のは何とももったいない気がします。魚も美味しいんですけどねぇ。