すい臓がんは診断・治療が非常に難しいといわれています。
 
この膵臓がんを光学的に発見し、診断する画期的な方法を米ノースウェスタン大学のバディム・バックマン医師らが開発しました。

この方法は、膵臓につながっている十二指腸の細胞を光学的にナノ単位で分析するというものです。膵臓がん患者と健常者を対象にした分析でもすでにほぼ100%発見できることを実証しています。
 
患者に苦痛を与えることなく、細胞に光を当てるだけの診断なのでまさに画期的と言えます。この研究については「臨床がん研究」誌の07年8月号で発表されています。
 
すい臓がんは早期発見が非常に難しいうえに進行が早く、さらには予後の経過も悪いので「癌の王様」と呼ばれています。
 
日本のすい臓がんにより亡くなる人は2万人を超え、男性が女性よりやや多くなっています。すい臓がんによる死者は年々増加傾向にあります。
 
すい臓がんでは初期の自覚症状はほとんどありません。
 
進行すると腹痛、下痢、背部痛が起きますが、これはがんがすでに周囲の臓器に広がっていることを意味します。
 
すい臓がんの原因としては喫煙、肥満、遺伝要素などが考えられています。
 
現段階では、すい臓がんが発症して長期生存の可能性があるのは、患部の切除手術が完全に成功した場合のさらにその一部に限られています。
 
今回開発された技術が膵臓がんの早期発見に役立てばまさに画期的です。