テレビの健康番組などでよく話題になる「血管年齢」はある機械を用いて測ります。
 
その機械とは「血圧脈波検査装置」と呼ばれるもので、「脈波伝播速度」なるものを測るための装置です。
 
脈波伝播速度(PWV)とは、心臓から血液が送り出される際に生じる動脈壁の振動(脈波)が血管壁を伝わる早さのことです。

PWVは血管が硬くなるほど(血管年齢が上がるほど)速くなります。血管壁が硬いと脈波が吸収されず、スピードが落ちないからです。
 
PWVが速いほど動脈硬化が進んでいることになるので注意が必要です。
 
動脈硬化は脳、目、心臓、下肢の血管に多く発症します。
 
動脈硬化というと脳や心臓を想像しますが、四肢の動脈硬化も最近は増えてきているそうです。四肢の動脈硬化では手足がしびれたり、少し歩いただけで太ももが痛んで歩けなくなる、といった症状が出ます。
 
重症化すると足が壊死することもあります。
 
血管年齢を老化させないもっともわかりやすいポイントは、タバコを吸わないことです。
 
喫煙は血管を収縮させて血圧を上げるだけでなく、血管の硬化も進めてしまうのです。
 
喫煙習慣があるなら「タバコを一本吸うごとに動脈硬化に近づいている」ことを忘れてはいけません。
 
血管年齢を若く保つには魚食のほか、下の記事で紹介しているペプチドの摂取などが効果的です。

血管年齢を若く保つLTPとは?

「LTP(ラクトトリペプチド)」という栄養素が最近注目されています。
 
LTPはその名のとおりペプチドの一種で、「乳から生まれた、3つのアミノ酸がつながったもの」という意味があります。
 
LTPは乳酸菌から生み出される機能成分で、血管の細胞に働きかけて血管年齢を若く保つ働きがあります。
 
血管を柔らかく保ってくれるわけですね。
 
2006年10月の国際高血圧学会で、LTPを含むカゼイン酵素分解物が血管内皮の機能を改善し、循環器系疾患の予防に役立つ可能性が指摘されました。
 
また08年7月の日本動脈硬化学会では、東京医科歯科大学の吉田雅幸教授の研究結果から、LTPが血管の詰まりを予防する可能性があることも発表されています。
 
血管年齢が実年齢より高い20人がLTPを8週間毎日摂取したところ、平均7.6歳血管年齢が低下したという実験結果もあります。
 
血管年齢が高くなり、血管の老化が進む(血管壁が厚くなり、硬くなる)と、心疾患や脳血管疾患などの重大な病気の引き金になることはよく知られています。
 
現在はLTPを含む飲料やサプリメントが市販されているので、高血圧など循環器系の不調が気になるなら、一度試してみてはいかがでしょうか。