女性普通乳房の大きさが左右で違うと乳がんになりやすいという試験結果が英国のがん専門誌06年3月号に発表されました。

リバプール大学のダイアン・スコット博士が中心となり、乳がんを発症した女性252人と、健康な女性252人を比較する方法で調査されたものです。


その結果、乳房の大きさが100mlずれるごとに乳がんのリスクが1.5倍になったのです。
 
ただし、全く異常がない場合でも左右で大きさが違うことは多々あり、特に左側がわずかに大きいのはごく一般的に見られます。
 
「左右の大きさが全く同じ」というケースの方が珍しいのではないでしょうか。
 
この調査を行った研究チームも「他のリスクと考え合わせることが大切」とコメントしています。
 

 
乳がんの原因は特定が難しいですが、いわゆる「欧米型の食事」や喫煙習慣などが危険因子として挙げられています。
 
 
また乳がんでは痛みなどの自覚症状がほとんどありません。
 
よく言われるしこりや乳頭からの出血・分泌物といった症状も、乳がん以外の疾患が原因のこともあります。
 
万が一これらの症状が乳がんによるものであった場合、がんの症状はある程度進行しているので注意が必要です。
 
乳がんは早期に発見できれば90%以上が完治します。
 
現在はマンモグラフィー検査が発達しており、数ミリのがん細胞も発見できます。(ちなみに一個のがん細胞が、手でも感知できる大きさ(2cm)のしこりになるには10年かかるそうです)
 
手術をする場合、切開・切除の範囲が小さければ日帰り手術も可能です。入院が必要でも、長くて1週間ほどです。
 

 
乳がん検診の日本での受診率は10%に満たない低さです(06年現在)。対して米国は70%、北欧では90%にも達します。
 
日本では乳がん患者数が年間4万人を超え、死亡者数も1万人を超えています(05年現在)。乳がん検診を呼びかけるCMも放送されていますが、まだまだ周知が足りていないと言えるでしょう。