腰痛の原因を見極める診察方法のひとつに、SLRテスト(ラセーグ徴候や下肢伸展挙上テストとも呼ばれます)があります。
SLRテストは、仰向けに寝た患者の脚を、伸ばしたまま上に持ち上げていく検査です。
SLRテスト 椎間板ヘルニアか狭窄症かを判定
上げる角度と痛みの発生を勘案して、腰痛の原因が狭窄症かヘルニアかを推測します。
健常者であれば70度以上の角度まで痛みを感じることなく脚が上げられるのですが、70度未満で痛みが出た場合、椎間板ヘルニアが疑われます。
ここでの痛みは脚の裏側に発生します。これは、圧迫されている神経を伸ばし、緊張させることで生まれる痛みです。
痛みを感じたらそこから脚を少し下げ、股関節を内転させて痛みが増すかどうかを調べるケースもあります。
SLR検査で痛みが無ければ、狭窄症の可能性が高くなります(確実ではありません)。
脚を動かして腰痛の状態を調べる検査には、SLRテストのほかに
・うつ伏せで行う大腿神経伸展テスト
・座って行う座位膝伸展テスト
などがあります。
大腿神経伸展テストでは、うつ伏せになって膝を曲げ、下腿を上に上げます。
この時痛みが発生したら椎間板ヘルニアが疑われます。
ちなみに、このテストで脚の角度が70度以上で痛みが発生したら、椎間板ではなく腰椎関節の病変の可能性が考えられます。
SLRテストはじめ、各種検査の信頼度は高いですが、病状を確実に判断できるわけではありません。
あくまで「(ヘルニアの)可能性が強く疑われる」という判断材料です。
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