変形性膝関節症は50歳以上の人は半分以上がかかり、その大半の人は「特に治療も予防もしない」のが実情です。

膝に痛みがある時、どのような対処をしますか?
 
「安静にする」という方も多いのではないでしょうか。
 
確かに症状によっては動かさないことが改善につながることもあります。
 
しかし東京医科歯科大学の藤田紘一郎名誉教授は「動かしたほうがいい場合もある」と主張されています。

藤田紘一郎名誉教授 安静にすると悪化することも

藤田教授は
 
「関節は動かさないと栄養が行き渡らない。安静にしているとかえって症状を悪化させてしまう」
 
という考えです。
 

 
動かさないでいると拘縮(曲げ伸ばしができなくなる現象)が起きて痛みが強くなる場合があり、そうなるとますます動かさなくなる悪循環に陥ってしまいます。
 
藤田教授が膝痛になったときは、膝周りの筋肉を鍛えたりストレッチ運動をすることで完全に治してしまいました。
 
これについては私も賛成です。
 
膝や腰の痛みについては、必ずしも「安静」がいいとは私も思えません。痛みが発生するのは筋力が不足しているのが原因とも考えられるからです。
 
実際に私も膝が痛くなることがあります。膝が痛くなるのは、決まって筋トレをしばらくさぼっている時なのです。
 
そういう時はジムにでも行ってレッグエクステンション(マシンを使って、膝のすぐ上の筋肉を鍛える運動)あたりを行うと一発で治ってしまいます。
 

 
バーベルを担いでのスクワットでもOKです。
 
膝が痛いのに、負荷をかけて筋トレをするのは逆効果じゃないか?という気もしますが、筋トレをやってひざ痛がひどくなったという経験は、私の場合はありません。




ひざ関節にかかる負担 水中の運動はおすすめ

ひざ関節にかかる負担は、平地を歩く場合で体重の2~3倍、走ったり階段や坂道の昇降で5~7倍になります。
 
体重70kgの人が普通に歩くだけでも一歩ごとに140~210kgもの体重をひざが支えているわけです。
 

 
脚の関節にはその他に股関節、足首の関節がありますが、それらに比べてもひざ関節は最も負担がかかりやすい構造をしています。
 
「ひざ痛の悩み」は非常に多いのに対して、股関節や足首の痛みで悩んでいる、という話をあまり聞かないのもそのためです。
 
膝関節への負担を減らすには太ももの筋肉をつけるのが有効なのですが、その運動自体で膝に負担がかかって故障しては何のためにやっているのかわかりません。
 
そこでおすすめなのは水中での運動です。
 
水中では浮力が作用するため膝への負担は非常に軽くなり、かつ筋肉は鍛えられます。肥満気味の人でも安心して運動できるのです。
 

 
私も水泳は定期的に行っており、ひざ痛もなくなります。個人的に水中運動はインナーマッスルを鍛えるので関節の安定に非常に有効と感じています。
 
ひざ痛がたまに起こる程度なら、上で紹介しているように私はジムで器具を使ってのレッグエクステンションもおすすめです。
 
脚を伸ばす動作を鍛えるもので、太ももでも特に膝の上の筋肉が鍛えられます。ひざ痛改善には効果が高いのではないでしょうか。