米国心臓協会(AHA)は、06年年1月24日付けの会報で
 
「大豆たんぱく質や大豆成分であるイソフラボンを多くとっても、悪玉コレステロール(LDL)を減らす効果は無い」
 
と発表しました。
 
2000年に同協会は大豆たんぱく質を低コレステロール食品として推奨しているだけに、波紋が広がっています。

同協会は大豆たんぱくに関する最近の研究22件を詳細に検討しました。
 
その結果、一日50gという大量の大豆たんぱく質を摂取してもLDLは3%しか減少しないばかりか、善玉コレステロールやリポたんぱく質、血圧、女性の更年期障害への効果も確認できなかったと発表したのです。
 
何だか大豆イソフラボンって、こういう感じの記事が多いですよね・・・。
 
06年のはじめごろには「(サプリメントによる)大豆イソフラボンのとりすぎは月経周期が乱れる、子宮内膜症といった報告もありました。

大豆イソフラボン過剰摂取によるリスク

以前読んだ「テレビじゃ絶対放送できない『食』の裏話 垣田達哉著」204~221ページに、大豆イソフラボンをとりすぎることで生じるリスクが挙げてありました。以下にまとめます。
 
・乳がんなどの発症、再発リスクを高める可能性
・子宮内膜増殖症への影響
・ヨウ素摂取量の少ない乳幼児への甲状腺機能への影響

 
が挙げられています。
 
こうしたことから、日本の食品安全委員会は06年5月にイソフラボン摂取量の上限値を発表しています。
 
・安全な摂取量の上限値は、一日の全ての食事から70~75mg
・一般的な大豆食品以外に、特定保健用食品から摂取する場合、安全な上限値は30mg

 
納豆や豆腐などの大豆食品を少し多めに食べる人なら、一日あたりのイソフラボン摂取量は40~45mgです。
 
なので、「普通に」食事をしている範囲内であれば過剰摂取を心配する必要は無いと言えるでしょう。
 
日本の食品安全委員会は、次のような警告も発しています。
 
・胎児、乳幼児、小児、妊婦については、特定保健用食品として上乗せして摂取することは推奨できない
 
つまり、一般的な食品として摂取する分には問題無いが、妊婦や子供がサプリなどを利用してとることは勧められないと言っているわけです。
 
著者の垣田さんによると、このような表現は「今までにない強い警告」なのだそうです。
 
これらを考えると、大豆イソフラボンはサプリなどで補給するのは慎重になった方が良い、と言えそうですね。
 
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをします。大豆イソフラボンだけをサプリなどで集中的にとるのは、言ってみれば女性ホルモンを摂取するようなものです。
 
ビタミン類やたんぱく質などの「栄養」をサプリで補給するのとは違い、ホルモンなどの内分泌系のものを過剰に摂取するのは、イメージ的に「それはマズイだろう」という気がします。
 
大豆イソフラボンの摂取目安量の上限値は一日あたり70~75mgで、サプリメントなどによる摂取量の上限は一日あたり30mgとされています。
 
大豆イソフラボンは豆腐や納豆など、食品中に含まれている形でとるのが一番安全ではないでしょうか?