コンタクトレンズは薬事法で「高度管理医療機器」に指定されており、使用の際には定期検査などが必要とされています。
しかし、ファッション用の度なしカラーコンタクトレンズには何の規制もありません。
そのため装着することでトラブルを引き起こすケースがあります。
カラーレンズの危険性 夜間視力 動体視力の低下も
保存液などに浸ける実験では、カラーレンズ12種類のうち4種で色素、3種でチタンやアルミニウムが溶け出すという結果が出たものもあります。
以前のカラーコンタクトは製造コストがかかるため、一昔前の技術を使って作られている、とも言われていました。
対して、比較的新しい技術が使われているワンデータイプであれば、一日装用ということもありそれほど問題なく使えるとされています。
ワンデータイプを一日使い捨てにしても、毎日装用するのは良くありません。
国民生活センターが公表しているデータでは、カラーレンズによって視力、夜間視力、動体視力が大幅に低下するケースもあります。
さらには軽度の眼障害が認められた事例があり、カラーレンズを使用したことがある大学生のアンケートでは4割近くが「使用していて調子が悪いと感じたことがある」と回答しました。
「目を大きく見せたい」といった理由などから、カラーコンタクトレンズは若い人を中心に愛用者が増えています。
カラーコンタクトレンズを使用するなら、使用している(あるいは使用する予定の)レンズを持参して眼科医に相談しましょう。
カラーコンタクト規制
2008年の8月、カラーコンタクト(以下カラコン)も規制の対象になることが決定しました。
カラコンはこれまで雑貨として扱われていて、安全性や装着上の注意点などが意識されないまま使われてきました。
量販店などでも販売されているため手軽に購入できるのですが、カラコンを使用したことによる目の障害事故が相次いでいます。
独立行政法人のNITE(製品評価技術基盤機構)が08年に行った調査では、カラコンによる眼障害報告事例は167件あり、うち21件は重症、146件が軽症でした。
カラコンは構造上レンズに色素を含んでいるので、視力矯正用のコンタクトレンズよりもさらに酸素透過率が低くなります。
手入れが悪かったり、長時間装用すると充血、眼の痛み、涙が止まらなくなるといった症状が出て、ひどくなると角膜の潰瘍や角膜炎まで引き起こすことがあるのです。
規制開始後は、販売する際には都道府県知事の許可が必要になり、常駐している管理者が危険性の説明することが義務付けられます。
規制は09年4月に始まります。
ソフトコンタクトでアカントアメーバ感染
少し昔の話ですが、
「ソフトコンタクトレンズを使用していて、目がアカントアメーバに感染し、失明してしまった」
という報道がありました。
実は私自身、ソフトコンタクトを使っていて結膜炎になったことがあります。(コンタクトに問題があったのではなく、私の使い方がムチャクチャだったのです(´Д`)
私にとって「コンタクトでのトラブル」は他人ごとではありません。ニュースを見てすぐに「コレは怖いなぁ」と思い、このアメーバについてちょっと調べてみました。
ポイントを以下にまとめます。
・感染後の進行は遅いが、目が非常に痛み、充血がひどくなる 涙が多く出る一方、目やには少ない
・片目だけの発症が多い
・治療は抗真菌薬を使用すると同時に、感染した角膜表面を削る(!!)作業を行う 治療は容易ではない
・根治には何ヶ月もかかることがある
・症例がまれなだけに、大きな病院でも検査が困難である
非常に厄介な病気のようですね。
コンタクトレンズって、使い始めのうちは衛生面にも気を使うんですけど、慣れるにつれて扱いがぞんざいになってきませんか?
私は性格が本来ズボラなのでコンタクトを着けたまま寝たりしてました。
それでもしばらくは使えてしまうのですが、感染がいつの間にか進行していることもあるので(私の場合はそうでした)注意が必要です。
上で「まれな病気」と書きましたが、ソフトコンタクトレンズを使っている学生385人を対象に、国民生活センターが行った調査では、全体の10%にあたる40人にアカントアメーバ汚染の痕跡があったそうです。
もしかしたらそれほど「まれ」ではないのかもしれません。(ちなみにこの調査では緑膿菌や大腸菌も検出されています)
国民生活センター「消毒効果が低い製品がある」
国民生活センターは製品テストも行っていて、その結果から「消毒効果が小さい製品がある」とも発表しています。
読売オンライン
www.yomiuri.co.jp/national/news/20091216-OYT1T01157.htm
(この記事は現在削除されています)
この製品テストでは、アカントアメーバの減少度合いを過酸化水素消毒液と比較してあるのですが、この結果を見ると過酸化水素消毒液よりも減少度が少ない製品がほとんど、と言えそうです。
ただし、この結果だけをもって「アカントアメーバに対して効果が無い製品」と決めることはもちろんできません。
国民生活センターとしては
・レンズのこすり洗いを推奨
・コンタクトレンズ業界へ「製品の消毒効果の向上」や「装用者に対するアメーバ感染啓発の徹底」を要望する
という立場のようです。
簡単に言うと「レンズや器具は清潔に保ちましょう!」ということになりますが、面倒でついサボっちゃう、という方はいませんか?(私はそのひとりです・・・)
いうまでもありませんが、アカントアメーバ感染や結膜炎はやっぱり恐ろしいもの。予防するに限ります。レンズを清潔にして病気を予防するに越したことはありません。