タレントのみのもんたさんや、落語家の桂 歌丸さんが発症したことで知られるようになった脊柱管狭窄症は、近年患者数が増えています。
脊柱管狭窄症では手術が選択されるケースが多いですが、武内整形外科医院の武内正典医師は、脊柱管狭窄症でも筋トレが有効としています。
脊柱管狭窄症の痛み緩和には腹筋などの筋トレを 歩けない人にもおすすめ
武内医師の著書から引用致します。
私は、この病気は腰部を固定する脊柱、起立筋などの筋力が低下しているために腰部脊柱管が不安定になっていることと、お尻の筋肉が委縮することも原因の一つだと推測しています。
(中略)
この男性患者さんの体調を考慮しつつレッグプレスで太腿裏側の筋トレや、クランチで腹直筋の筋トレを開始してもらいました。
わずか二ヶ月後には「腰の痛みが軽くなりました」との報告を受けました。
じつは、私はこんなに早く効果が表れるとは想像していませんでした。しかも、手術予定の腰部脊柱管狭窄症の患者さん四名からも、「痛みがなくなっている」という声が届いたのです。
(中略)
また、筋トレによって歩行距離が著しく延びることもわかりました。
61歳の男性患者さんは初診時には、間欠性跛行というしびれるような痛みのために、五分しか歩けませんでした。しかし、筋トレ開始から三ヵ月後には1km以上も継続して歩けるようになりました。
しかも、この患者さんは血流改善薬の助けを借りず、筋トレだけでここまで回復できたのです。
(中略)
この事実に力を得た私は、同じ病気の患者さんにどんどん筋トレをすすめています。
現在40人ほどの腰部脊柱管狭窄症の患者さんが筋トレを継続していますが、改善の報告を受けるたびに、手術を回避できるのではないかと考えています。
(武内医師の著書「(PR:Amazon)55歳からはお尻を鍛えれば長生きできる」104~107ページから引用しました)
筋力低下によって発生する腰痛が筋力トレーニングで改善するのはわかるのですが、脊柱管が物理的にせまくなってしまう脊柱管狭窄症にも筋トレが有効とは、やや意外な気がします。
筋トレを実践してもしびれが残るケースはありますが、痛みが軽減されるため患者さんの生活の質が格段に向上するのです。
手術の前にまずは筋トレを選択する価値はありそうです。