「熟年離婚」なんて言葉が一時期流行りましたが、奥さんとの離別は男性の寿命を縮めるそうです。
しかも死別の場合より深刻だという統計があります。
このコンテンツでは、寿命を左右する要素について紹介します。
男性の寿命の長さと配偶者の有無
国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、中年男性の寿命は配偶者の有無によって違いがありました。
95年に40歳だった男性で、離婚などにより奥さんと別れた人は死別した人より6.2年も寿命が短かったのです。
また男女共に、配偶者のいない人はいる人に比べて、心筋梗塞や脳卒中の死亡率(2000年、10万人あたり)が2倍以上高くなっています。
ある程度の年齢(30代後半くらい)に達した、独身のお笑い芸人さんなどが「部屋に独りでいる時、『このまま死んでしまっても誰にも発見されない』とたまに考える」なんて冗談を言ってますよね。
この記事を書いている時点で、私も「ある程度の年齢に達した、独身の男」なわけで、芸人さんの言葉が実はあまり冗談に聞こえません。
確かに夜寝ていて、心筋梗塞や脳卒中を発症したら、そのまま誰にも発見されない、なんてこともありえる話です。
これらの重篤な症状が出たら、自力で救急車を呼ぶことも厳しいでしょうし、上の統計で「独身者は心筋梗塞や脳卒中の死亡率が2倍以上高い」というのも納得できてしまいます。(実際はもっと高いような気もしますが)
「独身は気楽で良い」なんてことも言ってられないかもしれません。(´Д`)
次の記事では、寿命を伸ばすのに大いに関わっている「生活の質」について紹介します。
日常生活動作能力 ADLチェックリストQOLとの関連
日本では、すでに長いこと高齢化が叫ばれています。
高齢者の数が増えるにつれ、社会保障や医療の観点から、ただ単に長生きするだけでなく、高齢者がいかに健康で自立した生活を送れるかにも注目が集まるようになりました。
生活の満足度を表す指標として、QOL(Quality of Life)がよく使われていますが、QOLには主観的な要素がかなり含まれていて、客観的な尺度で表すのは難しいという欠点があります。
そこで、生活の質をより客観的に測るため、ADL(Activity of Daily Living)という指標も使われています。
ADLとは、日常生活動作の能力という意味で、「基本的な生活・社会動作をどれだけ自分でできるか」を表しています。
ADLには、東京都老人総合研究所が作成したチェックリストがよく使われています。
各設問に、「はい」か「いいえ」で答える形式です。
2 日用品の買い物ができますか
3 自分で食事の用意ができますか
4 請求書の支払いができますか
5 銀行預金・郵便貯金の出し入れが自分でできますか
6 年金などの書類が書けますか
7 新聞を読んでいますか
8 本や雑誌を読んでいますか
9 健康についての記事や番組に関心がありますか
10 友達の家を訪ねることがありますか
11 家族や友達の相談にのることがありますか
12 病人を見舞うことができますか
13 若い人に自分から話しかけることがありますか
「はい」の回答が多いほど、ADLは高いと考えられます。
ただしADLの高低が、そのままQOLの高低に直結するわけではありません。仮にADLが少々低くとも、本人が生活に満足していればQOLは高くなりますし、その逆の場合もあります。
一般にADLが高いほどQOLも高くなる傾向にありますが、ADLさえ高ければ良い、というわけではないのです。
「何に幸せを感じるか」「気の持ちよう」といった要素が大きく関わってくると言えそうです。