「日本は熱帯に近い気候になっている」と指摘されるようになりました。
 
冷房を適切に使わないと、大げさでなく命を落とすリスクもあるほどです。
 

 
それは確かなのですが、私個人的にはあえて冷房を使わないよう意識することもあります。

熱中症予防との兼ね合いが必要なのですが、エアコンを使いすぎると自律神経(特に体温調節機能)が弱るように感じるのです。




汗をかいて自律神経を活動させる

「健康のために汗をかきましょう!」というのはよく目にしますが、実は私にはその理由がいまいちピンときませんでした。
 
ネットで調べてみると・・・
 
・汗には肌の保湿成分が含まれている。
・汗をかくことで肌表面の汚れなどが流れやすくなる。
・デトックス効果がある。
 
・・・といったことが書いてあるサイトもありましたが、いずれも私にはいまいちピンときませんでした。
 
あれこれ思いを巡らせた末、もっと根本的な理由として
 
「汗をかくことは自律神経を鍛える(活動させる)行為のひとつなんじゃないか」
 
との考えに至りました。
 

 
汗をかいて、体温調節を司る自律神経を鍛えるわけです。
 
しかし現代は体温調節機能を弱らせる環境が普通になっています。

冷房・暖房で現代は自律神経が弱りがち

現代社会は、体温にかかわる自律神経が活動不足になりやすい環境にあると言えないでしょうか?
 
夏は冷房、冬は暖房。
 
体温調節に神経が使われる機会は昔より間違いなく少なくなっています。現代は自律神経が退化しやすい環境なのです。
 
筋肉と同じように、神経も使わないと退化すると私は考えています。
 

 
自律神経は呼吸器、心臓、内臓、排泄器官など生命機能の根幹を支える器官を支配しています。
 
つまり、自律神経が弱りやすい環境である現代は、生命活動自体が鈍くなりがち、というのは言い過ぎでしょうか?
 
「体温調節」という一機能だけをとりあげて自律神経全体が弱る、と考えるのは強引かもしれませんが、それほど大ハズシはしていないように感じるのです。
 
仮に体温調節機能だけが弱っても、健康を損なうリスクは高まります。




体温調節を司る自律神経が弱ると何がヤバいのか

空調を使いすぎて自律神経が弱ると、どんなデメリットがあるのか。
 
私はこのように考えます。

気温の高い環境で、汗をかくなど体温を下げる反応が鈍くなる。
 
気温の低い環境で、カロリーを燃やすなど体温を上げる反応が鈍くなる。

 
つまり気温の変化に対応する力が弱ってしまうのです。
 

 
言い換えるなら、熱中症になる、カゼをひくといったリスクが高くなるわけですね。
 
空調の使用が一般的になったとはいえ、四六時中その環境にいられるわけではありません。
 
外出はしますし、季節の変わり目には気温が急変することもあります。
 
「しばらくポカポカ陽気だったのに、急に冷え込んだ」という時、体温調節機能が高いほうがカゼをひきにくいはずです。こうした機能は日頃から暑さ・寒さを感じていないと鍛えられません。
 
もちろん、猛暑日に冷房を使わず熱中症になってしまっては本末転倒です。
 
しかし、常に空調のきいた部屋で過ごすことによるデメリットも頭に入れておくべきではないでしょうか。