高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれるように、自覚症状は無いとされています。
血圧が高くなるだけでは、痛みが発生するわけでもなく、咳や熱が出たりすることもありません。
高血圧の自覚症状
ごくわずかずつ悪化していき、ある日限界を超えて血管が破れ、重篤な症状に陥る原因になるのが高血圧です。
それだけに恐ろしく、定期健診や日頃の注意が大事なのです。
ただ、高血圧であっても、自覚症状が表れるケースもあります。
高血圧が原因で表れる自覚症状には、
肩こり 頭痛 めまい 耳鳴り 胸痛 息切れ 吐き気 動悸 顔のほてり
などがあります。
これらの症状が続くようなら、高血圧による何らかの合併症が進んでいる可能性があります。
ただ、いずれもカゼの症状と間違われたり、それほど深刻には考えられないケースも考えられます。「そのうち治るだろう」と見逃しがちな症状ばかりです。
そのため定期健診など日頃の注意が大切になってきます。
健康に気をつけていても、血管の老化は進んでしまいます。自覚症状があるならもちろん、なくても検査は怠らないようにしましょう。
高血圧の2つのタイプ パンパン型とギュウギュウ型
高血圧にはふたつのタイプがあります。
それは
ギュウギュウ型とパンパン型
です。
これはNHKの「ためしてガッテン」で使われた名称で、いまでは一般に使われることもあるようです。
パンパン型(一般にはこちら)塩分の摂りすぎで 腎臓にも負担
パンパン型とは、血液の体積が増えて血管が膨らむ高血圧です。
パンパン型と最も大きく関わるのは、高血圧の話題で「お約束」の塩分です。
塩分(≒塩化ナトリウム)の多い食品を食べると、のどが乾きます。
人体はナトリウム濃度を一定に保つ働きがあるので、血液中の塩分が増えると水を飲んでそれを薄めようとします。
血液を薄めるということは、血液の体積が増えるということです。
その分血管への圧力は増し、まさに「パンパン」になってしまいます。
これがパンパン型の高血圧です。日本人に多いのはこのタイプです。
パンパン型高血圧では、負担がかかるのは血管だけではありません。処理する血液の量が増える腎臓も働き詰めになってしまいます。
やがて腎臓は疲弊しきって、機能が落ちていきます。高血圧が続くと腎臓に合併症が起きるのはこれが理由です。
ギュウギュウ型 血管に圧力がかかる 塩分は無関係
対してギュウギュウ型は、腎臓から分泌されるレニンというホルモンが原因です。
レニンは血管にギュッと圧力をかける働きがあります。ホースを握るような作用です。血管が絞られると、血圧は上がります。
レニンによる高血圧は、塩分摂取の抑制などの対応では改善できません。薬による治療が必要です。