早稲田大学スポーツ科学学術院の金岡恒治教授によると、特定の動作で発生する痛みにより、腰痛のタイプが診断できるそうです。
その診断法とタイプ別の対策(ストレッチなど)を紹介します。
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一生痛まない強い腰をつくる
椎間板タイプ:足を肩幅に開いて立ち 膝を伸ばして上体を前に倒す
足を肩幅に開いて立ち、膝を伸ばしたまま上体をゆっくり前に倒す。
この動作で痛みが出たら、椎間板タイプの腰痛と考えられます。
このタイプは、腰椎と腰椎の間にある椎間板が原因です。
健康な椎間板には神経は通っていないので、椎間板の内部が多少傷ついても痛みは出ません。
しかし加齢などで水分が減ると、椎間板の内側に血管や神経が入り込み椎間板を圧迫するようになると痛みが発生します。
1の動作で痛みがなかったら、次の動作を試してみます。
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椎間関節タイプ:足を肩幅に開いて立ち腕を前で組む その後…
足を肩幅に開いて立ち、腕を前で組む。膝を伸ばしたままで上体をゆっくり後ろに倒してみましょう。その後右後ろと左後ろにも倒してみます。
この動作で痛みが出るなら、椎間関節タイプの腰痛と考えられます。
椎間関節とは背骨同士をつないでいる関節です。背骨にかかる重量や負担は椎間板と椎間関節で支えています。
加齢などにより椎間板の弾力性が失われるとクッション機能が低下し、徐々につぶれてしまいます。
すると椎間関節への負担が増加し障害が起きるのです。
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楽な姿勢で立ち痛みを感じる部分を指で探す
ここまでの動作でいずれも痛みが出ないなら、指で痛みが出る部分を探します。
楽な姿勢で立ち、痛みを感じる部分を指で探してみましょう。
仙骨の少し上が痛むなら仙腸関節タイプの腰痛
仙骨の少し上、背中の中心から指の幅2本分くらい外側にある盛り上がった部分が痛むなら仙腸関節タイプの腰痛と考えられます。
腸骨と仙骨をつなぐ仙腸関節は可動域が狭く、ズレが起きやすい関節です。ズレた状態で負荷がかかると、神経が異常を察知して痛みが発生します。
仙腸関節タイプの腰痛は女性に多く、特に出産後の腰痛の多くはこのタイプと考えられます。
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その痛み、仙腸関節障害かも?
背骨周辺の筋肉のどれかが痛むなら筋肉タイプの腰痛
背骨周辺一帯の筋肉のいずれかが痛むなら筋肉タイプの腰痛と考えられます
この筋肉は脊柱起立筋群と呼ばれ、ここに慢性的な疲労がたまると痛みが生じます。
ここまでに挙げたタイプの二次的な症状として、このタイプの腰痛が生じるケースもあります。
また、筋肉が疲労していなくても、脳の勘違いがもとで筋肉が収縮し、痛みが出ることもあります。
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ズボラ筋を目覚めさせて腰痛を治す!
椎間板タイプの腰痛対処法2つ
股関節後面筋ストレッチ
太もも後ろ側の筋肉(ハムストリングス)を伸ばし、骨盤を前傾させて椎間板への負担を減らします。
1 両脚を伸ばして座り、全身の力を抜いてリラックスする
2 骨盤を前傾させ、脚と背筋を伸ばしたまま、両腕を前へゆっくり伸ばす 痛くないところまで伸ばして10秒キープしたら、1の姿勢に戻る
3 1~2を3回行う
マッケンジー変法
ひとつひとつの背骨を反らせる動きによって、椎間板への負荷を軽減します。
1 うつ伏せに寝そべり、両脚を閉じる 両手は耳の横に置く
2 腕の力を使わずに、頭のほうから順に上体を反らせる 下半身を動かさないのがポイント
3 そのまま反れるところまで反らし、10秒間キープする 背中がまっすぐにならないように注意
4 1~3を5回行う
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椎間関節タイプの腰痛対処法2つ
股関節前面筋ストレッチ
股関節を伸ばして、椎間関節への負担を減らします。
1 椅子を支えにして、背筋を伸ばして直立する 左脚を後ろに曲げて、足の甲あたりを左手で押さえる
2 ひざが外に開かないように、左手で左足を持ち上げ、左太もも前面の筋肉を伸ばす 腰が反らないように注意 伸ばしきったら元に戻し、反対の脚も同様に行う
3 1~2を2回行う
腹筋運動
骨盤を後傾させながら腹筋を鍛えることで椎間関節の痛みを軽減します。
1 仰向けに寝そべり、ひざを90度くらいに曲げる 両手は胸の下あたりで重ねる
2 息を吐きながら、へその下あたりを意識し、お腹をへこませて腰を床に押しつける
3 腹筋に力を入れて、腰を床につけたまま頭を起こす へその下あたりを意識し、お尻を引き上げて骨盤を後傾させる
4 1~3を5回行う
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仙腸関節タイプの腰痛対処法
腸骨位置矯正
骨盤の位置を正す動作です。
1 直立して、両足を肩幅に広げる 腰の痛みを感じる側の手を、親指を後ろに、残りの指を前にして骨盤をつかむ
2 つかんだ手の親指に力を入れながら、お尻を垂直に突き上げるようにして骨盤を前傾させる 骨盤を押さえたまま、姿勢が崩れないようにして上体を前に倒せるところまで倒す
3 手の力を保ちながら起き上って1の姿勢に戻る 反って痛みが出る場合は、手で骨盤をつかんだまま、上体を後ろに倒せるところまで倒す
4 痛みの変化を認めない場合には、1の姿勢に戻り、今度は骨盤をつかむ手の親指を前にして2、3を行う
※ポイント
親指を後ろにしてつかむ時は骨盤を前に倒すように力を加え、親指を前にしてつかむ時は骨盤を後ろに倒すように力を加える
2~4の動作のうち、行ってみて痛みが軽減された動作を6回くりかえす
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筋肉タイプの腰痛対処法2つ
腹筋+背筋運動
反動で転がることで、背筋を伸ばし、腹筋を強化します。
1 体育座りをして、両腕で脚をしっかりと抱える
2 そのまま体を後ろに倒して、お尻から背中まで床に接するように転がり、コリをほぐす 体を反動させて元の体勢に戻る
3 1~2を10回行う
背筋ストレッチ
凝ってしまった背筋を、前屈でしっかりと伸ばします
1 椅子に浅く腰かけて背筋を伸ばす 両足を痛くない程度に開く
2 足の位置を変えずに、頭から首、肩、背中の順に、体をゆっくりと丸めて前屈する 両手は自然に床にたらし、背中を丸めた状態で10秒間キープする
3 1~2を2回行う
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