腰痛でのブロック療法は、温熱や牽引などの保存的治療を施しても症状が改善しない場合に行われます。
保存的治療と手術的治療の中間に位置する治療法です。
ブロック療法を試みてもなお改善しない場合は手術による治療も検討されます。
腰痛のブロック療法 原理や鎮痛以外の効果・目的
ブロック療法は腰の神経の周囲に麻酔剤やステロイド剤を注射して、痛みそのものを麻痺させてしまう治療法です。
ブロック療法は痛みを感じなくするだけでなく、患部周囲の炎症を鎮め、筋肉の緊張をやわらげて血流を良くする効果もあります。
ブロック療法には、
神経根ブロック
椎間関節ブロック
硬膜外神経ブロック
交感神経節ブロック
などがあり、椎間板ヘルニアでは多くの場合神経根ブロック治療を行います。
頸椎のヘルニアでもブロック療法を施すケースがあります。
「痛みをマヒさせる注射をする」と聞くと、一回だけの注射でてきめんに効果が表れるように感じますが、実際は週に1回程度の注射を4~5回は繰り返します。
神経根ブロックで痛みの原因神経に直接針を打つ場合は強い痛みを感じますが、治療直後から症状が劇的に改善します。
麻酔剤の効果が切れても、痛みがいきなり戻ることはなく、鎮痛作用はしばらく続きます。効果の持続期間には個人差があります。
ブロック治療は圧迫されている神経を特定する目的もあります。
原因となっている神経が判明すれば、手術をすることになっても対応が容易になるのです。
糖尿病を患っていると免疫力が低下するため、感染症のリスクを避ける意味でブロック療法を受けられない場合もあります。