個人的に、かなりギョッとしたニュースがありました。
 
生活習慣が身体に影響を及ぼす、とてもわかりやすい例です。

MSN産経ニュースさん
飲食物の酸で歯が溶ける「酸蝕歯」食事習慣や歯磨きの見直し必要
sankei.jp.msn.com/life/news/111115/bdy11111507380000-n1.htm
 
このサイトで何度か強調しているように、私は歯の健康をとても重視しています。そのため、「歯に良くない」系の話には反応してしまうのです。
 
歯の健康というと歯磨きの話題がほとんどですが、「こういう例もある」とお知らせするため、酸蝕歯について紹介します。

歯を溶かしてしまった生活習慣

上の記事には、こんな症例が紹介されています。

・40代の男性 酸蝕歯により、上前歯の内側がえぐられたように溶けて薄くなった この男性は毎晩寝る前に黒酢を飲む習慣があり、前歯で舌をかむくせがあった
 
・60代の男性 奥歯のエナメル質が溶け、象牙質が露出 冷たい水がしみる知覚過敏になった この男性は酢のものが大好物で、歯を食いしばる癖があった

 
どちらの例も、食習慣と癖で歯にダメージを与えていたことがわかります。
 

 
酸性の強いものを口に入れると、口の中は当然酸性に傾きます。PH値が5.5を下回る酸が歯に接触すると、歯のエナメル質が溶け始めます。(PH値は小さくなるほど酸性が強くなります)
 
それを唾液が中性に戻し、唾液中のカルシウムなどでエナメル質を再石灰化することで、歯のダメージを修復しています。梅干しを見ると唾液が出るのは、「酸を中和しなければ!」という口の自衛反応なのです。
 
しかし、酸性の飲み物などをチビチビと長時間口に入れると、口中が酸性のままでキープされてしまいます。すると歯のダメージも蓄積していきます。
 
また、睡眠中は唾液の分泌量が低下します。そのため、寝る前に黒酢などを口にすると、口中の酸性がいつまでも中和されません。歯が酸と触れる時間が長くなるため、歯が溶けてしまうわけです。
 
黒酢や梅干しよりも身近な食品にも、歯を溶かすリスクは潜んでいます。

身近な食品PH値 意外と酸性度が高いものも

東京医科歯科大学の北迫勇一助教授の調査によると、清涼飲料やスポーツドリンク、ワインなど市販飲料120種類のうち、73%がPH5.5を下回っていました。
 
けっこう多くないですか?
 

 
また北迫助教授は、飲食物のPH値を調査されています。

コーラ飲料 2 栄養ドリンク 2 梅酒 2.9 スポーツ飲料 3.5 赤ワイン 3.8  ビール 4.3 トマトジュース 5 レモン 2.1 グレープフルーツ 3.2 ミカン 3.6 和風ドレッシング 4 しょうゆ 4.7

 
コーラや栄養ドリンクって、意外と酸性度が高いんですね。ちなみに、1%のクエン酸水溶液のPHは2.26だそうです。酸性はかなり強いです。
 
別コンテンツでクエン酸をお勧めした際にも触れたように、クエン酸を飲む際は極力歯に当てないように気をつけて下さい。
 
(参考)
歯を溶かしやすいクエン酸 飲む注意点と効果

酸蝕歯を防ぐには

酸蝕歯を防ぐポイントをまとめます。

■酸性の強い食品はすぐに飲み込む
 
■寝る前に酸っぱいものは食べない
 
■酸っぱいものを食べた後は口をゆすぐ、あるいは意識して唾液を口中で循環させる
 
■酸っぱいものを食べた後は歯磨きはしない(20~30分時間をおく)
 
■歯を食いしばるなど歯にダメージを与える癖はやめる

 
歯にダメージを与える行為は習慣になっていることもあるので、「いつもやっている」ことを一度見直してみてはいかがでしょうか。