熊本で発行されているフリーペーパー「すぱいす」に、子宮頸がんについての記事がありました。
熊本大学大学院の片渕秀隆教授が子宮頸がんの解説をされていて、わかりやすくまとまっていたのでここで紹介します。
子宮頸がん 初期に症状はほとんどない 検診で早期発見できれば治療可能
・子宮の奥に発生するがんは子宮体がんと呼ばれ、50歳以上の女性に多い 子宮頸がんとは原因、発症しやすい年齢、特徴、治療法も全く違う病気
・女性生殖器のがんには膣がん 子宮頸がん 子宮体がん 卵管がん 卵巣がんがある
・初期の子宮頸がんは症状が出ないことかほとんど 性交時の出血や、おりものの増加など、症状が出る時には、がんがかなり進行していることもある
・発見が遅れた場合、子宮の全摘出が必要な場合もあるため、妊娠中に子宮頸がんが見つかり、帝王切開による出産と同時に子宮も摘出、というケースもある
・子宮を摘出すると、以後の妊娠・出産は当然できなくなる また周囲の臓器やリンパ節に転移している場合は、それらの臓器も一緒に摘出することになる
進行させてしまうと女性の身体・精神に大きな負担になるので、予防・早期発見が何よりも大事です。
子宮頸がんの原因のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
ただし感染しても、多くの場合でウイルスは自然と体外に排出されるので、子宮頸がんを発症することはまれです。
また感染後も子宮頸がん発症までには数年かかるため、子宮頸がん検診を定期的に受ければがんになる前の状態で早期に発見し、治療が可能です。
検診は5分程度で終わり、痛みもほとんどないため、女性への負担は重くはありません。
近年話題になっている予防ワクチンは合計三回の接種が必要で、費用は5~6万円かかります。
接種を公費負担する自治体もありますが、現時点で子宮頸がんワクチンには以下のような欠点もあります。
・全ての発がん性HPVの感染を防ぐことができるわけではない
・すでに感染しているHPVを排除する効果は無い
子宮頸がんワクチンには、副作用も取り沙汰されています。
ワクチンは一定の効果が期待できますが、もうしばらく様子を見つつ、定期的に検診を受けるのを忘れないようにする、というスタンスでも良さそうです。