以前発売された「週刊新潮」に、トクホの大嘘という特集がありました。
コンビニで見かけて、思わず購入してしまいました。私としては買わずにはいられません。
その記事のキモとなる部分を、まとめて紹介します。
このコンテンツは(Amazon・PR)週刊新潮 2017年3/30号を参考にしています。
難消化性デキストリン 血糖値上昇抑制効果なし?筑波大・京都薬科大の研究
新潮の記事では、9つのトクホ食品製品と、それに含まれている成分について検証されていますが、ここでは
難消化性デキストリン(以下 難デキ)
についてまとめます。
(記事ではケルセチン配糖体など、その他の成分にも疑問が呈されています)
難デキを加えたお茶やコーラは複数販売されていて、「脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにする」というコピーがおなじみになってます。
中には累計売り上げが10億本を超える「お化け商品」もあります。
最近はトクホ以外の健康食品にも「難デキ配合!」をうたうものが増えています。
まずは難デキの「糖の吸収をおだやかにする」=血糖値の上昇を抑制する効果について。
新潮の記事では「嘘」と斬り捨てられていて、その根拠は「効果なし」とする研究結果があるからです。
筑波大学の鈴木正成名誉教授(故人)と、京都薬科大学の沼尾成晴講師が2010年に行った研究で、
・鮭定食
・ハンバーグ定食
・豚めし
という一般的な食事を食べる被験者が
・難デキを6g含むトクホの茶飲料
・グァバ茶ポリフェノールを70mg以上含む、トクホの茶飲料
・普通の水出し煎茶
のいずれかを飲み、これらとは別に
・ダンベル体操を行う
被験者を調査しました。
その結果、
難デキ、茶ポリフェノールを含むトクホ茶いずれも血糖値上昇を有意に抑制したものはありませんでした。
差が出たのは、ダンベル体操を行った被験者だけだったのです。
この結果から、記事では
一般的な食事をしている限り、難デキ入りのお茶を飲んでも血糖値の上昇は抑制されない。
と結論付けています。
難消化性デキストリン 脂肪の吸収抑制は誤差の範囲?
難デキのもうひとつの効果「脂肪の吸収を抑える」について。
こちらを否定する理由としては、効果の根拠となる論文で示されている「吸収が抑制された」とする脂肪の割合は、誤差の範囲でしかないからです。
難デキ入り飲料を飲んだ群と比較対照群で、食後に便として排出されなかった脂肪量の割合を計算すると、それぞれ
97.4%
98.6%
でした。
難デキ入りのほうが、排出されない=体に残る脂肪の量は少ないわけですが、その差はわずか1.2%しかありません。
これはいわゆる誤差の範囲であり、これで「脂肪の吸収が抑制されます」と称していいのか?という疑問があるわけです。
千葉大学の山本啓一名誉教授は
難デキには脂肪の吸収を抑制する効果はない。今回、難デキに関するトクホの根拠論文に目を通してみて、それがわかりました。
としています。
この根拠論文とは、松谷化学工業という会社の研究者が作成した二つの論文です。松谷化学工業は、難デキの国内シェア8割を持つ会社です。
山本教授は
そもそも、難デキの製造元で作成された論文を各社で使いまわしているわけです。その時点で客観性は高くないと言える。
と否定しています。
管理人の考え 難デキ入り飲料には… トクホヨーグルトは習慣になってます
この記事に対し、どのような感想を持つかは人それぞれでしょう。
「そうかな?けっこう効いてる気がするけどなぁ」という方は、飲み続けて構いません。
結局のところ、お約束である「人それぞれ」ということになるのでしょう。
それでは私がどう考えているかというと、難デキ入り飲料に限っていえば、
いまのところ飲む必要性は感じていない
といったところです。
お気づきかもしれませんが、私はこのサイトでトクホ製品をとりあげることはほとんどありません。
唯一話題にしているのは、ブル○リアヨーグルトだけではないでしょうか。
・管理人の快腸習慣ヨーグルトやココア
告白しますと、本記事で話題にした難デキ製品は、これまでに一回しか飲んだことがありません。
「話のタネに飲んでみるか」と、手に取ったことは何度かあるのですが、成分を見るたびに「これって、食事前に何か食物繊維をとればいいのでは?」と妙に冷めてしまい、結局購入しません。
それに、お茶ならまだしも、「健康のためにコーラ?それってどうなの?」と違和感を感じ、ここでも買いません。
なので、「トクホ(飲料)はイイですよ!」といった話は書けません。書けるとすれば、ヨーグルトだけですね。
とはいえ、私は「たとえプラシーボでも、効けば上等」という考えを持っています。
「新潮」が言うように、仮に「大嘘」であっても、トクホ飲料を飲むことで体重が減った、スリムになったなど、納得できる変化が起きているなら続けて問題ないと思います。
(飲んでいるだけでやせるのは難しいと思いますが)
ただし、「トクホ飲料を飲んでるから、ちょっと食べ過ぎてもいいだろ」といった言い訳になったらダメですし、「あんまり変化はないなぁ」と感じるのであれば、続ける理由はないでしょう。
お金をかけなくても、糖分の吸収をゆるやかにする方法はいくらでもあるので、トクホ製品にこだわる必要はありません。
「新潮」の記事の真偽は、トクホ製品が自分に何か変化をもたらしてくれているかどうかにかかっているのではないでしょうか。
真偽を判断するためにも、ただ何となくボンヤリと飲み続けるだけで、体重や体脂肪率、あるいは体調・体型の変化に全く無頓着、ではダメだと思います。
現在トクホ飲料を積極的に利用している方は、この機会にその「変化」を再確認してみてはいかがでしょうか。
それで今後も利用するかどうかを自分で判断できるはずです。