割烹・懐石料理店「とく山」「分とく山」総料理長の野崎洋光さんは、以前「睡眠時無呼吸症」を発症しました。
医師のアドバイスもあり、ダイエットをすることに。
野崎さんには、ダイエットに対する持論があります。
それは
人間、生理的欲求を無理やり抑え込むとかならずリバウンドする
というもの。
食べたいものを食べなかったり、極端に量を少なくすると必ず揺り戻しがあって、かえって前以上に太ってしまったりするという考えです。
そこで、お腹一杯食べるダイエットを実践しました。
具体的には
茹で野菜を一食あたり300g食べる
のです。
小松菜は芯の部分まで。カブは茎も葉っぱも。
白菜、大根、キャベツ、人参、ゴボウなど、繊維質の多い野菜は茹でて四センチ角に切って食べる。
その他刺身や魚の焼き物といった、普通のおかずに、ご飯、味噌汁も食べます。
さらには、せんべいなどの間食も食べました。
それでも体重は減り、一ヵ月で5kgダイエットできたそうです。
「野崎式ダイエット」のポイントは、
ゆでる野菜に味を全くつけず、よく噛んで食べること
のようです。
なぜ味をつけないのでしょうか?
「だしで味をつけたり、炒めたりして調味してしまうと飽きるんです。
(中略)
味つけしない野菜なんておいしくないだろうと思うかもしれませんが、しっかり噛んでいると甘みが出てくる」
野崎さんは、よく噛むことの健康効果も指摘されています。
「大事なのは噛むことです。茹でてあるから固くはないけれど、繊維質をよく噛むことによってまず歯茎が丈夫になります。
歯周病がなくなって口の中がきれいになる。しかも脳が活性化して、免疫力が高まる。
(中略)
噛むことがなぜ体にいいかというと、これは運動だからです。
よくスポーツジムなどに行って、過激な運動をして体脂肪を落とすのがいいと思っている人が多いけれど、運動でいちばん大事なのは血液をゆっくりと全身にくまなく回してあげること
(中略)
ある程度の年齢になったら、ウォーキングなどもそうですが、心肺や血管にあまり負担をかけず、血液の循環をよくすることが運動なのです。
そうした運動と同じことが、食物をよく噛むことによって起こる」
よく噛むことが運動になる、とは私は考えたことがありませんでした。
今後はちょっと意識してみようかな?
「分とく山 野崎洋光のからだにいいおいしい話」188~191ページを参考にしました。