私のメルマガで何度かお知らせしていたように、私は以前定期的に献血をしていました。(現在は諸事情により献血はできていません)
献血により把握できる項目数は多いのですが、献血でわからないことも当然あります。
そこで「献血でわかること・わからないこと」についてまとめます。
(このコンテンツは2010年3月に作成しました。その後検査項目が変わっている可能性があることをご了承ください)
献血でわかること 生活習慣病に関する数値
献血について調べていたら、下のサイトにたどり着きました。
MSN相談箱 献血の検査結果
questionbox.jp.msn.com/qa1720815.html
(現在このページは削除されています)
一部を抜粋させて頂きます。
質問者「献血の検査結果で異常がなければ大丈夫だと聞きましたが、献血の結果からどの様な病気が分かるのでしょうか」
回答者「『献血の検査結果で異常がなければ大丈夫』と言ったのは誰ですか?少なくとも医療従事者ではないでしょう。献血で分かるのは基本的なことだけで、分からないことも多いですよ」
この回答者さんはこれまでに多くの輸血血液を扱ってきた専門家だそうです。
献血で教えてくれる検査項目としては
ALT(GPT) ガンマGTP 総タンパク コレステロール グリコアルブミン
といったものがあり、これらの検査項目から分かることを大ざっぱにまとめてみるとこんな感じです。
肝臓の健康度 栄養状態 血中脂質(食生活の健全度) 血糖値
いわゆる「生活習慣病」に関連する項目です。
上の記事では
「検査項目は簡単に言うと白血球、赤血球、血小板数、貧血、肝機能ぐらい」
という回答があります。言い換えれば、これらの項目以外はわからない、ということにもなります。
献血ではわからない病気 ガン 血管の健康度
それでは、「わからない」疾患として具体的にはどういうものがあるのでしょうか?
まず真っ先に挙げるべきものに「ガン」があります。献血で教えてくれる項目だけで癌を発見するのはまずムリのようです。
こちらをどうぞ。
一般血液検査だけで、○○癌発見や、癌の可能性がわかりますか?
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1112731866
上のリンク先では「一般血液検査だけで癌が分かれば、何の苦労もありません」という回答もあります。
がんを発見する方法として一番多いのはX線や超音波、あるいは内視鏡などの撮影による検査です。
胃がん、肺がん、乳がんいずれも検診の最初にX線撮影などを行います。
「腫瘍マーカー」という、各種のがんにより発生する固有の物質を血液中から特定することでがんを発見する方法があります。
しかし、献血の検査ではそこまで精密なことは教えてくれません。
言うまでもなく、がんは日本人の死亡原因のトップです。献血の結果が良いからと、「自分は健康だ!病気の心配なし!」と過信してしまうのは危険です。
喫煙習慣があるなど、ガンのリスク要因が思い当たる場合は特に注意しなければいけません。
ある程度の年齢に達したら、献血での検査とは別に、がん検診も定期的に受ける必要があります。
がん以外にも、献血では分かりにくいことがあります。それは実は血液に関することです。
がん以外で献血ではわからないこととは・・・
血管の健康度です。
つまり、血管の疾患(血管が詰まる、破れるなど)の前兆はわからないのです。脳梗塞や心筋梗塞、脳出血や動脈瘤といった病気の前ぶれですね。
しかし、献血センターから送られてきたハガキに血液の検査数値がずらっと並び、全ての数値が標準値内に収まっていると「血液だけでなく、血管も健康」と錯覚しがちになりませんか?(私だけ?)
確かに血圧やコレステロール値などから、血管の健康度もある程度見当がつくかもしれません。
しかし、例えば脳の細い血管の状態や、いつの間にかできている動脈瘤などを正確に把握するのはまず無理です。献血では血管の健康度はわからないのです。
まとめ 実は大事なことがわからない?でもやるべき
ここまでをまとめてみると、献血の検査結果からだけでは
・がん全般
・血管の疾患
を発見するのは難しいと言わざるを得ません。
つまり、いわゆる日本人の三大死因(がん 心疾患 脳血管疾患)の予防には心もとないということになります。
こう書くと「大事なことがわからないじゃん!」と、献血をサゲている印象を受けるでしょう。
誤解の無いようにおさえておくと、これらは「献血するべきではない」という理由ではありません。
普段自分の健康にあまり気を使っていないなら、身体のデータを知る第一歩として献血は間違いなくおすすめです。
ただし、「献血の検査結果だけで満足するのは危険」という意識も持っておきましょう。