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「スポーツ関連の話で股関節はよく話題になるなぁ」と強く感じたのは、2011年4月号の「トレーニングジャーナル」を読んだのがきっかけです。

やや専門的な内容もありますが、紹介します。

ボクシングのパンチ動作 股関節が重視される理由

ボクシングにおけるパンチ動作は、両方の股関節の軸をうまく活用してパンチをしています。
 
これは、どちらかの股関節の軸に体重を乗せてパンチ動作するということです。
 
これによって、パンチ動作の時に頭を半分ずらすことができます。そうすることで、顔面への防御を固めながらパンチを打てるのです。

身体の中心軸でパンチ動作をすると、頭の位置が動かないため、相手の攻撃を受けやすいのです。
 
また、このような動作によって、自分の体重を乗せた強いパンチを打てるようになります。
 
野球の例では、イチロー選手の打撃フォームがイメージしやすいでしょう。
 
後方の脚から前方の脚へ体重移動をして、腰の回転を体幹、上半身へ伝え体幹の回転によってボールを捉える動作です。
 
この動作は、股関節の柔軟性と体幹部周辺の筋群が適切に機能することが要求されます。
 
(トレーニングジャーナル No.378 2011 4月号 11ページ 大洞裕和氏の記事)

「腰を回せ」の弊害&ダンスで日本と欧米の動きの違い

同誌から記事をひとつ。

腰をもっと回せ、が与える大きな弊害
 
胸椎は見落とされることが多いものの12個もあるため、回旋運動では脊柱全体の関節可動域の3分の1以上を担っています。
 
本来よく動くべき部分は体幹ではなく、胸椎と股関節なわけです。安定すべき体幹部を無理に水平面に大きく可動させようとすると、確実に腰椎への負担は大きくなります。
 

 
(トレーニングジャーナル No.378 2011 4月号36ページ)

記事をもうひとつ。

日本と欧米ではダンスをとっても違いがあります。
 
日本では阿波踊りのように膝を少し曲げて前側の筋肉を主に使った踊りが発達しましたが、欧米では社交ダンスのように股関節を主に使って滑るように踊るダンスが広まりました。
 
また、真偽のほどはわかりませんが、これも昔からいわれていることで欧米人は雨降りでもズボンにはねないといいます。
 
股関節を主体にスイング動作で動いているからかもしれません。
 
一方の日本人は、二関節筋であるハムストリングスを主に膝関節の屈曲に使ってひっかきながら歩いているように感じます。
 
ひょっとすると山の多い日本ではこのような歩き方に必然性があったのかもしれません。
 

 
トレーニング・ジャーナル2011年4月号 22ページ最上晴朗氏の記事

股関節に言及した記事はまだありました。
 
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