キシリトールは、白樺や樫などに含まれる天然の甘味成分、キシラン・ヘミセルロースに水素を加えて化学反応を起こした「糖アルコール」です。
なぜ歯にいいのでしょうか?
このコンテンツではキシリトールが虫歯を予防する理由や摂取する際のコツなどをまとめています。
キシリトールが虫歯を防ぐ理由
結論としては、「口の中の虫歯菌を減らすから」ということになります。
キシリトールが虫歯菌を減らせるのは、以下のような理由があります。
虫歯菌は糖を分解して酸を発生させ、この酸が歯を溶かして虫歯をつくります。キシリトールの構造は砂糖に似ているので、虫歯菌は砂糖と間違えてキシリトールを吸収し酸を作ろうとします。
しかしキシリトールは虫歯菌には分解されない構造をしています。それでも虫歯菌は必死に分解しようとし続け、やがてはエネルギーを使い果たして疲弊し、数が減少していく、というわけです。
(ちなみに砂糖は虫歯の原因となりますが、蜂蜜や果糖は虫歯を引き起こしません)
またキシリトールは唾液の分泌を増やす効果があり、唾液中のカルシウムと結びついてエナメル質の再石灰化を促すので、歯を強くします。
フィンランドの虫歯対策
キシリトールといえばフィンランド。
現在のフィンランドは子供の虫歯数が少ないことで知られていますが、1970年頃までは世界有数の虫歯大国でした。
そこでフィンランド政府は医療費抑制のため国を挙げて虫歯予防に取り組みました。
そのひとつとして、小さいころから食後にキシリトール入りのガムを噛む習慣をつけるよう推奨したのです。
おかげで虫歯の数は急速に減少し、国民の歯の健康度は大幅にアップしました。
キシリトールガムを噛む際のコツ
キシリトール製品を口にする際は、ちょっとしたコツがあります。
キシリトール配合のガムなどを口に入れると、独特の清涼感から唾液がたくさんでます。
このときに、この唾液をすぐに飲み込まないのがポイントです。
可能なら2分間ほどひたすら唾液を口に溜め込み、その間唾液を口の中でぐるぐる回せれば理想的です。これはキシリトールを満遍なくいきわたらせ、口中全ての虫歯菌に作用させるためです。
キシリトール配合のガムやタブレットには、配合比率が明示されています。キシリトール配合率の高いほうが当然効果は高いのですが、値段が高くなります。
キシリトールは摂取しすぎるとおなかがゆるくなることがあります。この点に注意して、虫歯になりやすいならキシリトールを試してみてはいかがでしょうか。