口を開閉する時、「ポキッ」や「カクッ」といった音が鳴ることがあります。
この音は顎の関節から出るもので、「クリック音」と呼ばれています。
「ポキッ」などのはっきりした音ではなく、「ゴリゴリ」「ギシギシ」といった音は「クレピタス音」と呼ばれています。
顎関節症の原因
これらは顎関節症と呼ばれ、痛みを伴うこともあり、比較的よく見られる症状なのですが、原因はハッキリとわからないことが多いのです。
顎関節症にかかる人は近年増えており、女性だけでなく男性にも見られます。
原因としては、以下のようなものが考えられています。
歯の食いしばりや歯ぎしり
スポーツや仕事で集中・緊張するときに無意識に歯を食いしばっているケースがあります。
この状態が続くとあごの関節に過度の負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあります。
就寝中の歯ぎしりも同様です。「歯ぎしり」というと音がすごい、というイメージがありますが、音がしない歯ぎしりもあります。
かみ合わせが悪い・あるいは片側だけで噛む
あごの特定の部位ばかり使うことになり、負担がそこに集中します。
結果的に過負荷状態が続き顎関節症の原因になってしまいます。
あごの関節に負担をかけているクセがある
頬杖をつく、うつぶせ寝であごを圧迫しているといったクセがあるなら注意が必要です。
あごに負担がかかる時間が長く、噛み合わせのズレなどの原因になります。
あごが弱くなった
現代人は硬いものを食べなくなり、あごの関節や筋肉自体が弱くなったことも顎関節症の原因になります。
あごが負荷や負担に耐えきれず、すぐに不調を起こすようになってしまうのです。
精神的ストレス
ちょっと意外な感もありますが、顎関節症になる人はストレスを受けているケースが多いのです。
神経の緊張状態が筋肉の緊張につながり、食いしばりや夜間の歯ぎしりなどを誘発することがあるのです。
顎関節症の治療と病院へ行くかどうかの目安
顎関節症の治療にはマウスピースを用いたスプリント療法が施されます。
樹脂でできたマウスピースを寝るときにくわえることで歯ぎしりや食いしばりを防ぐわけです。
効果は高い治療法ですが、完治するまでには数ヶ月かかることもあり、根気が必要です。
それほど深刻ではないことも多い顎関節症ですが、顎を動かすたびに音がするのはうっとうしいですし、しばらく続くと「悪化しているのだろうか?」と気になるものです。
病院に行くべきかどうか、の目安には次のようなものがあります。
・口の開閉のたびに引っかかる感じがある
・顎および顎周辺に痛みがある
音がしても、上のような症状が無ければそれほど気にしなくとも良いようです。逆に、音が無くなっても上記の不調が感じられたら病院で診断を受けておきましょう。
顎関節症は過度に心配する必要は無いことが多いですが、気になるなら医師に相談しましょう。歯科をはじめ、受診可能な施設はいろいろあります。