狭心症では心臓の冠動脈が細くなりますが、血流は辛うじて保っています。心臓の機能が停止したわけではなく、いわば黄信号状態です。
 
心臓に負担がかかると胸痛などの発作が出ます。

心筋梗塞では冠動脈が完全に詰まるか、あるいは極端に細くなって血流がほとんど無くなります。
 
猛烈な胸の痛みを伴い心機能が著しく低下し、突然死をひき起こす場合もあります。
 
心臓は、体中に張り巡らされた血管を通じて、全身に血液を送り込む働きをしています。冠動脈とは、心臓自身に血液を送るための血管で、心臓を取り巻くように存在します。
 
狭心症や心筋梗塞で冠動脈が細くなる、あるいは詰まるということは心臓への栄養や酸素供給が滞ってしまうということです。
 
当然心臓の活動は低下するか、最悪の場合は心臓の筋肉細胞が死んでしまいます。こうなると生命の危険に直結します。
 
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心筋梗塞や狭心症を防ぐには、生活習慣病の予防習慣をそのまま採用できます。冠動脈を詰まらせる原因は、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病だからです。
 
すなわち生活習慣病を防ぐための食事改善や適度な運動といった心がけが、心臓の不調も予防してくれるわけです。
 
喫煙も心筋梗塞や狭心症の原因になりえます。喫煙習慣があるなら、ぜひ禁煙しましょう。

内臓脂肪型肥満と心臓疾患の関連

内臓脂肪型肥満の人が
 
1 高脂血症 
2 高血圧
3 高血糖

 
の3つのうち、どれかひとつ危険因子を持つ場合、心筋梗塞および狭心症を発症するリスクは危険因子が無い人の5倍になります。
 
1~3全ての危険因子をもっていると、その危険度は36倍にまではね上がります。
 
 
あらゆる生活習慣病の元凶とも言える内臓脂肪は、喫煙習慣と共に最優先で解消されなくてはいけません。
 
中高年世代になると、内臓脂肪は徐々に増えてきます。
 
内臓脂肪は油断しているとすぐついてしまいますが、同時に消費しやすいという特徴を持っています。脂肪を燃焼させるには、よく知られているように有酸素運動が有効です。

やっぱり有酸素運動がおすすめ

以前は「有酸素運動は20分以上行わないと脂肪は燃焼しない」と言われたこともありますが、実際には短時間でも脂肪は燃焼します。
 
時間に比例して脂肪燃焼量も増えるのは間違いありませんが、細切れ時間を利用した運動を積み重ねても効果はあるのです。
 
 
最も身近で簡単にできる有酸素運動は何と言ってもウォーキングです。
 
道具などは必要ありませんし、故障の危険性も少なく、お金もかかりません。通勤や買い物など移動の際に歩くようにすればそれだけで有酸素運動をすることになります。
 
時間とお金を使ってジムに通うのも良いですが、まずは日常生活で少し工夫して、体を動かす機会を増やすのが良いのではないでしょうか。