コレステロールや中性脂肪は脂質なので水には溶けません。
 
そのままの状態では血液中にも溶けないわけです。
 
そこでアポたんぱくというタンパク質がコレステロールや中性脂肪を包んでリポたんぱくになり血液中に溶け込み、血液中を移動しています。


 
リポたんぱくには主に四種類あり、含んでいるコレステロールや中性脂肪の量、大きさや比重などが異なります。
 
またそれぞれの働きが動脈硬化を促進するものであれば悪玉、抑えるものであれば善玉と呼んで区別しています。
 
四種類のリポたんぱくを特徴とともに紹介します。




カイロクミン ほとんどが中性脂肪で軽い

成分の80%以上が中性脂肪であり、最も大きくて軽い極超低比重のリポたんぱくです。
 
小腸で合成され、中性脂肪を全身に運ぶ働きがあり、エネルギーとして消費されることもあります。

VLDL 60%が中性脂肪

カイロクミンの次に大きく軽い超低比重のリポたんぱくです。成分の約60%を中性脂肪が占めています。
 
肝臓で合成され、中性脂肪やコレステロールを運びます。

LDL 小さくて少し重め 多すぎると動脈硬化に

比較的小さめで少し重い低比重のリポたんぱくです。
 
VLDLの中性脂肪が分解されてできるので中性脂肪分は少なく、コレステロールが約46%を占めています。
 
コレステロールを全身に運び、細胞膜やホルモンの材料として供給しています。
 
血液中のLDLが増えすぎると血管内壁に付着し、動脈硬化を促進するように働くのでLDLは悪玉コレステロールと呼ばれています。

HDL たんぱく質とコレステロールが半分ずつ 動脈硬化を抑制

小さく重い高比重のリポたんぱくで、成分はタンパク質とコレステロールが半分ずつを占めています。
 
肝臓で合成され、血管壁に付いたコレステロールなど、全身の余分なコレステロールを回収して肝臓に運ぶ働きがあります。
 
LDLとは逆に動脈硬化を抑制するのでHDLは善玉コレステロールと呼ばれています。
 

 
LDLやHDLは、言い換えるなら「コレステロールを運んでいるリポたんぱくである」ということになります。
 
血中の中性脂肪値の高さと動脈硬化は関連しないと以前は考えられていましたが、現在では両者には密接な関係があることがわかっています。
 
HDLが低いのか、中性脂肪値が高いのか、などによって対策や治療法は異なります。
 
(※管理人追記 近年は、コレステロールの数値が高くても健康には影響しない、あるいは高いほうが長生きする、という説も有力になっています)