インドネシアやトルコなど、鳥インフルエンザの発生が目立つ国の特徴のひとつに「イスラム教徒が多い」ことが挙げられています。
イスラム教徒は豚肉を食べません。
牛肉は高価なので、その分鶏肉の消費量が増えます。
生きた鶏を自宅で調理したりするため、どうしても鳥インフルエンザが流行しやすい環境が生まれてしまうのです。
イスラム教徒が大多数を占めるインドネシアではこれまでに何度も鳥インフルエンザが発生しています。
行政当局は民家での鶏の放し飼いを禁止したり、住宅地域と鶏舎の間には一定の距離を置くことなどを定めるなどの対策をとっています。
しかし実際には、対策の効果はそれほど表れていないようです。
インドネシアでは民家で鶏を飼うことはひとつの伝統になっており、インドネシア国民のライフスタイルなのです。
卵や肉が食料になり、ペットとしての側面もあります。市場では生きた鶏が普通に売られています。
これはイスラム教の教義が関係していて、「教義に則って処理された肉でなければ食べてはいけない」とされているからです。
鶏肉を買いに来た客の前で教義にそった処理を行わないと信用されないのです。
インドネシアで鳥インフルエンザが流行したのは、人と鶏の距離が非常に近いことも原因のひとつでした。
しかし、文化的背景などからその原因を完全に解消してしまうことなかなか難しいようです。