紅茶はパーキンソン病のリスクを下げてくれるそうです。
(この記事は2008年に作成しました)
 
シンガポール国立神経科学研究所のルイス・タン研究員グループが明らかにしました。
 
米国疫学雑誌に掲載された論文によると、1日1杯に満たない紅茶の摂取でもパーキンソン病のリスクが約7割も低くなるそうです。

研究グループは中国人6万3257人を対象にした健康調査の結果を分析しました。
 
紅茶を飲む量によって被験者を3グループに分けたところ、最も摂取量が多いグループ(1ヶ月あたり23杯)は、最も少ないグループに比べてパーキンソン病のリスクが71%低くなりました。
 
今後は紅茶の健康効果も注目されるようになるかもしれません。
 
紅茶が持っている栄養成分としては、ビタミンB2、ビタミンK、カリウム、カルシウムといったものがあり、苦味成分のタンニンほか、抗酸化作用のあるカテキンも含んでいます。
 
紅茶にビタミン類がそれほど豊富に含まれているとは思えないので、パーキンソン病リスクを下げる可能性があるのはタンニンやカテキンといった抗酸化物質ではないでしょうか。
 
抗酸化物質はビタミンやたんぱく質、炭水化物といった栄養成分に比べるとやや地味な感がありますが、私はかなり意識して摂取するようにしています。
 
身体全体の「老化」や「劣化」を遅くしてくれると思うのです。
 
ココアを愛飲しているのもココアに含まれているポリフェノールを摂るのがメインの目的になっています。

工藤千秋医師 パーキンソン病の音楽療法

東京で「くどうちあき脳神経外科クリニック」を開設している工藤千秋医師は、パーキンソン病治療に音楽療法を活用しています。
 
パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質であるドーパミンが不足し、一部の運動機能が低下する病気です。
 
筋肉のこわばりや手足の震えなどが起きるようになり、
 
・歩行、座る、立ち上がるといった動作が緩慢になる
・表情が乏しくなる
・発声が困難になる

 
といった症状が出ます。
 
工藤医師は、こうした症状を音楽療法によって改善させています。
 
音楽に合わせて動作を行うことで、スムーズな動きを持続しやすくなります。リズムに合わせて歩くと筋肉の活動が活発になり、歩行が容易になるのです。
 
声を出すことは顔の筋肉を動かすことになるので表情が豊かになります。発話・発生のトレーニングになることは言うまでもありません。
 
パーキンソン病に対するこうした治療は、ドーパミンを補充する薬物療法などと並行して行われます。音楽療法は、低下した機能の回復を目的としたリハビリの一環として実践されています。
 
パーキンソン病のリハビリ作用に限らず、歌うことはストレス発散、積極性や自信の向上、呼吸機能強化などの効果があります。
 
曲によりますが、一曲歌うと100m走ったのと同じくらいの運動量になることもあるそうです。

パーキンソン病の治療法DBSとは 特徴や利点

パーキンソン病の治療法であるDBSはDeep Brain Stimulation の略で、「脳深部刺激療法」と訳されます。
 
脳の神経伝達回路を電気刺激することで、患者の日常動作を補助する治療法で、DBSは「脳のペースメーカー」とも呼ばれています。
 
現在のパーキンソン病治療では、減少したドーパミンを内服薬で補充する方法が主流です。しかし薬の服用を長期間続けていると、
 
・薬の効いている時間が短くなる
・幻覚や妄想などの精神症状
・身体が勝手に動く

 
といった副作用が出ることがあります。
 
 
一方、DBSでは
 
・脳の組織を壊す心配が無い
・刺激条件を変化させることができる
・振戦など全ての運動症状に有効

 
といった利点があります。
 
運動症状が改善されるため、患者の生活の質が格段に向上します。DBSは安全性・調節性に優れているため、現在では世界中で採用されています。
 
DBSはパーキンソン病だけでなく、本態性振戦などにも適用されます。