管理人が子供の頃は、「日焼けは健康的」という風潮がありました。
「日焼けするとカゼをひかなくなる」といった、理由不明の理論まであったのです。
しかし現在では日焼けや紫外線はNGという認識が一般的になりました。特に女性は美容面からUVケアが当たり前になっています。
このコンテンツでは紫外線の特徴や危険性についてまとめます。
紫外線の性質と日傘の上手な使い方
太陽光のうち、可視光線(眼に見える光線)は虹を作る7色からなる波長400~770nmの光です。
波長の短い方が紫、長い方が赤です。
紫よりもさらに短い光線が紫外線で、赤よりも長いものが赤外線です。紫外線、赤外線は人間の目には見えません。
紫外線は波長100~400nmの範囲にある光線で、波長315~400のUVA、280~315のUVB、100~280のUVCの3つに分けられています。
UVCは地表をとりまくオゾン層に完全にさえぎられ、地表には届きません。
有害性が特に強いのはUVBで、日焼けさせる力を比べるとUVAの600~1000倍も強いと言われています。
UVBはオゾン層が減少すると地表に届く量が増えます。
オゾン層が1%減少すると、皮膚がんの一種であるメラノーマが2%増加し、06年現在年間50万人のその他皮膚がんが1.6万人増加するという報告があります。
白内障による失明も10~15万人増えるとされています。
日本上空のオゾン層は目立って減少していませんが、日本の紫外線量は緩やかに増加しています。
紫外線は3月から強くなり始めて、5月には夏と同じレベルになります。
日傘の上手な使い方 黒のほうがカット率は高い
いまでは女性の日傘使用は当たり前になりました。
黒い日傘は、白い日傘よりも紫外線を30%多くカットします。
日傘をさす時は、傘と顔をなるべく近づけることが大事です。地面などから反射した紫外線を防ぐためで、傘と顔の距離は30cm以内が理想的です
美容アドバイザーの佐伯チズさんは、タクシーに乗っていても、日傘をさすことがあったそうです。
目に紫外線を受けて発症する病気
紫外線というと、肌に浴びてダメージを受けるケースがほとんどですが、実は目に受ける紫外線も軽視できません。
というのも、目が紫外線を受けることで発症リスクが上がるとされる疾患があるのです。
具体的にはこうした病気です。
・急性角膜炎(いわゆる雪目)
・瞼烈斑(けんれつはん 白目の部分に黄色いできもののようなものができる)
・翼状片(よくじょうへん 白目の表面の組織が増殖し、角膜に延びてくる)
「日本人は黒目なので紫外線の影響はあまりない」という話を聞きますが、いくら黒目でも目に紫外線を受けて良いことはありません。サングラス+帽子着用などで紫外線を防ぎましょう。
目に入る紫外線の量は、日射角の関係で昼間よりも朝や夕方の方が多くなります。また、高緯度の国ほど目に受ける紫外線が多くなります。
これは日射角が関係しており、高緯度ほど日射を顔の正面に受けるかたちになるのです。
また紫外線は「高いところ」ほど強くなります。標高が1000m高くなると紫外線は約10%強くなります。高いところほど大気が薄くなり、紫外線が散乱しにくくなるからです。