うつの症状が進行すると、
「死にたい」
「自分は生きていてもしょうがない」
「自分は価値の無い人間だ」
「自分という存在が無くなっても世間には何も影響しない」
「何もやる気がしない」
と、ネガティブな感情にとらわれてしまうケースが少なくありません。
健康な人が聞くとかなり深刻な話であり、実際に「自ら命を絶ってしまうのではないか」と予感させる心理状態なのは事実です。
しかし、うつを患っている本人の立場になって、次のように考えるとそれほど深刻なことではないと思えるのではないでしょうか。
「死にたい」「自分は価値の無い人間だ」と考えるようになるのは、うつの「症状」のひとつ。
例えばかぜをひくと、鼻水やせき、頭痛といった症状が出ます。
これらの症状も辛いですが、だからといって鼻やノド、頭を切り取ってしまおう、と考える人はいません。
花粉症の症状が出て「目や鼻をもぎとりたい!」という話は聞きますが、こちらも実行する人はいないでしょう。
なぜなら、いつか良くなる、改善するとわかっているから。
うつにかかって、「死にたい」「自分は無価値」という感情が起きるのも、症状のひとつなのです。カゼの鼻水や頭痛のようなもの。
うつとは、そういうネガティブな感情が症状として発生する病気なのです。
うつにかかり、自分という存在が嫌になって、自ら命を絶ってしまうのは、カゼにかかって鼻をもぎとってしまうようなものではないでしょうか。
症状はいつか良くなるのに、「患部」自体を消してしまってはやがて訪れる改善を実感することはできません。
現在うつに苦しんでいる方で、「死にたい」「自分はダメな存在だ」といった意識に苛まれているなら、「あぁ、またうつの症状が出ているな」と考えてみて下さい。
それはカゼの鼻水のようなもの。
いつか改善するのです。