めまいは比較的頻繁に見られる症状です。
めまいの原因となるものは多く、数十種類の疾患が関係しているとも言われています。
原因の違いと症状 内耳・脳の不調 脳梗塞や脳腫瘍のサインの場合も
めまいの原因として多いのは内耳、脳の不調です。
内耳が原因のめまいでは自分や周囲が回る感覚に襲われることが多く、耳が詰まるような感じ、耳鳴り、難聴や吐き気を伴うこともあります。
脳の不調が原因で起きるめまいでは、回転する感覚と共に身体がフワフワするよう感じることがあります。
こうしためまいは、脳梗塞、脳出血、小脳腫瘍など非常に危険な脳疾患のサインの場合があり、緊急に対処する必要があります。
「危険なめまい」では頭痛、手足のマヒ感、意識障害、ろれつが回らなくなる言語障害などを伴うのが特徴です。
めまいに加えてこれらの症状が出た場合は救急車を呼び、一刻も早く対処しましょう。「たかがめまい」と考えてはいけません。
その他めまいは過度のストレスや自律神経の不調、血液中のブドウ糖不足でも発生します。
徹夜を続けて睡眠のリズムが崩れたり、ダイエットで食事を抜いたりするとめまいが起きることがあるのです。
こうしためまいでは内耳にも脳にも「特に異常は見られない」と診断されることがほとんどで、ストレスを抑え、普段の生活と食事を整えることが何よりの治療になります。
めまいを予防するための生活習慣 姿勢や耳石が外れるケース
めまいメニエール病センター長で東海大学元教授の高橋正紘医師によると、めまいを予防するために、生活習慣として心がけるべきことがあります。
めまいは平衡感覚が無くなったり、身体がグルグル回るような錯覚があるなど、ショックが大きいため深刻に考えがちです。
「メニエール病ではないか」とも連想されることが多いようですが、高橋医師によるとめまいの80%以上はいわゆる「良性」で、それほど心配する必要はありません。
高橋医師は日頃の姿勢など生活習慣でめまいは予防することが可能だと主張しています。
注意すべき内容としては
・前かがみの姿勢(草むしり、床の雑巾がけなど)は長時間続けない
・横になってテレビを見るのはやめる
・低すぎる枕は避ける
といったものがあります。
耳の鼓膜よりさらに奥には「内耳」と呼ばれる部分があり、主に身体のバランスをとったり、音を感知する働きをしています。
内耳は「前庭」という場所で重力を感じ、「三半規管で」身体のバランスをとっています。
前庭には耳石という小さな石のような物質が付いており、上で挙げた姿勢をとりつづけると前庭の耳石が外れて三半規管に入り込むことがあります。
するとめまいや吐き気を催してしまうのです。
こうしたケースでは、頭や身体を動かすことで耳石を元の場所に戻す治療が施されます。
もちろん、医師の適切な指導が必要です。