健康トピックで血圧というと高血圧が話題になりがちですが、低血圧も本人にとっては大変です。
 
高血圧と比べると命に関ることは少ないですが、生活の質を低下させてしまいます。


 
早急な改善が難しい低血圧ですが、対策はあります。
 
以下にまとめます。

低血圧で不調が起きる理由 症状

一般に上の血圧が100以下の場合を低血圧といい、30代までの女性は五人に一人は低血圧といわれています。
 
体内に血液を巡らせる力が弱い状態であり、脳や胃腸に血液が十分送られていないため様々な不調が起きます。
 
低血圧の人に「朝なかなか起きられない」「午前中気力がわかない」という症状が出るのは、就寝中に活動するはずの副交感神経が目が覚めても優位で活動したままになっているからと考えられています。
 

 
本来なら目が覚めた時点で交感神経が活動を始め、血圧も上がらなくてはいけないのですが、低血圧の人はこの自律神経の切り替えがスムーズにできません。
 
低血圧による不調には

めまい、立ちくらみ、頭が重い、耳鳴り、頭痛、食欲不振、手足など末端部分の冷え

 
と多岐にわたります。
 
これらを改善する、つまり低血圧対策のためには自律神経の切り替えをスムーズにしなければいけません。
 
具体的な方法を以下にまとめます。

低血圧による不調を改善する習慣や食事

低血圧による不調を改善するには自律神経の働きを整える、あるいはあえて血圧を上げる対処をします。

早寝早起きを心がける 熱いシャワーと朝食

朝が辛いので大変ですが、朝から熱めのシャワーを浴び、朝食を食べれば交感神経が高まり症状が緩和されます。

定期的に500ml(コップ二杯強)の水を飲む

これを実行すると飲んで5分後から血圧が上がり始め、30分で最大になります。
 
効果は90分持続し、上の血圧が10~40上昇します。就寝中に汗をかいているため、朝行うのがオススメです。

チーズを食べる

チーズには血圧を上げるホルモンの材料物質が含まれているので、チーズ類(特にチェダーチーズが有効)を一日50g食べると低血圧対策になります。

血液の循環をよくする

早歩き、ジョギング、体操など軽い運動を一日10分でも行って血液循環かを促しましょう。特に脚の筋肉を鍛えると血圧が下がりにくくなります。
 

脚を下から段階的に締め付ける弾性ストッキングをはく

血液を脚にためないので低血圧が緩和されます。逆に、腰を強く締めるコルセットなどは良くありません。

カフェインを含む緑茶、紅茶、コーヒーを飲む

食後にめまいや立ちくらみが起こる食後低血圧なら、カフェインの入った飲料を飲むと効果的です。
 
「理論上、血圧は低ければ低いほどいい」と医師がコメントしているのをテレビで見たことがありますが、生活に支障があるほど低いのはやっぱりキツいもの。
 

貧血の症状 低血圧との違いは

低血圧と貧血は似ているイメージがありますが全くの別物で、低血圧は体質、貧血は栄養不足といえます。
 
この二つが混同されがちなのは、めまい、立ちくらみ、だるい、といった共通の症状があるからではないでしょうか。
 

 
いろいろな症状がある中で、以下のような変化に気づいたら貧血を疑ってみる必要があります。

・口の端が切れやすい
・せんべいなど固いものを食べたくなる
・肌がかさかさ
・爪が割れやすい
・髪の毛も抜けやすい

 
貧血を防ぐポイントになる栄養素は鉄分です。
 
貧血が女性に多く見られるのは、女性は生理や妊娠などで鉄分を消費しやすいからです。
 
鉄分は動物性食品(特にレバー)に多く含まれています。
 
貧血を防ぐにはたんぱく質も重要です。
 
女性に貧血が多いのはダイエットが一因となるケースも多いようです。
 
いまの世の中、ほとんどの女性がダイエットを意識しています。ダイエットで真っ先に控えられがちなのは動物性食品です。
 
こうした食生活では、貧血を防ぐための栄養素が不足がちになります。
 
野菜を食べることでも貧血対策にはなりますが、肉類も適度に食べて栄養のバランスをとりましょう。

食後低血圧の症状や注意点 対処法

人間は食事をすると内臓の血管が拡張し、血液が消化器官に集中します。そのため食後は血圧が下がり気味になります。
 
血圧は下がりますが、若い人や健康な人であれば自律神経が働いて血圧が過度に低下するのを防いでくれます。
 
つまり脈拍を上げたり、内臓以外の血管が収縮して血圧を上げるシステムが機能するわけです。
 

 
しかし高齢者や神経性の難病(パーキンソン病など)を患っている人はこうした血圧のバランスをとる機能が弱っていることがあります。
 
この場合、食後に異常な血圧低下を起こしてしまいます。
 
これを食後低血圧といい、食後に最大血圧が20mmHg以上低下すると食後低血圧とされます。
 
食後低血圧は立ちくらみやめまい、ひどい場合は失神を引き起こすので、高齢者であれば転倒の原因になります。
 
また心筋梗塞や脳の血管障害の引き金となるので、あまりにひどい場合は放置しておくのは危険です。
 

 
食後低血圧では、食前の降圧剤服用を控える(あるいは服用量を少なくする)、食後は安静にするといった対策が必要になります。
 
食前に服用することで食後低血圧の症状を軽くする薬もあります。また糖尿病の薬を使用していると、食後低血圧が起こらず、血圧が安定する場合もあるようです。