オリーブオイルはいまや日本では「一家に一本」で普及しているのではないでしょうか?
(某イケメンタレントの料理番組では必須アイテムになってますし)
家庭料理での使用も当たり前になりました。
健康を意識して「調理は全てオリーブオイル」という方もいるかもしれませんね。
私も使っているのですが、実は流通している製品には質が伴っていないケースもあるようです。
週刊文春 2015年12/17号(Amazon・PR)129~131ページから、一部を抜粋して紹介します。
「流通しているEVオリーブオイルの大半は偽造品」の指摘も
オリーブオイルといえば、「エクストラバージン」タイプがお約束になっていませんか?
エクストラバージンオリーブオイル(以下「EVOO」)の定義は「一番搾りのオイルで酸度が0.8%以下」のもの。
オリーブオイルの最高級品と解釈していいのですが、文春に「品質が悪いだけでなく、健康を害するものまで流通している」との記事がありました。
概要は以下のとおりです。
2015年の11月中旬、イタリアの大手メディアがあるニュースを報じています。
その報道によると、2014年はオリーブが不作で、質、量ともに例年とは比較にならない状態でした。
にもかかわらず、EVOOの流通量は変わらなかったのです。
これを不審に思ったオイル専門誌が調査したところ、普通のオリーブオイルをEVOOと偽装していたケースが見つかりました。
中には、本来の香りとは全く違う、発酵臭やカビ、汚泥のような臭いがするものもあったとか。
ジャーナリストのトム・ミューラー氏は、EVOO偽装を指摘した「エキストラバージンの嘘と真実」という本を2012年に出しています。
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エキストラバージンの嘘と真実 スキャンダルにまみれたオリーブオイルの世界
同書にはこのようにあります。
世界に流通しているEVOOは生産段階で偽装されたものが大半だ。
ディフェット(欠陥品)が堂々と売られている事を放置するのか。
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ミューラー氏の取材では、とんでもないオイルも見つかりました。
・菜種油を葉緑素で色付けし、ベータカロチンで香りをつけてEVOOを少しだけ混ぜる
・他国から輸入した劣悪なオイルに混ぜものをしてイタリア産と表記して販売する
この本が出版されてから、アメリカでは議会の上院でオリーブオイルの品質を巡る公聴会が開かれています。
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実は日本に輸入されているオイルも… 多田俊哉氏指摘
それでは、日本ではどうなのでしょうか?
日本オリーブオイルソムリエ協会理事長の多田俊哉氏が、ちょっとショッキングな暴露をされています。
今日本で売られている輸入ブランドEVOOの大半は欠陥オイルです。
ミューラーさんが著書で指摘したような偽装を施したオイルに加え、もっと単純な、例えば地面に落ちてカビが生え、腐ったオリーブから搾油した酷いオイルなども珍しくないのです。
特に、三、四年貯蔵された古いオイルを使っている場合は健康へのリスクが高い。
オイルが劣化、酸化しているため、下痢になったり、人によって嘔吐する場合さえあります。
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これが事実だとすると、健康のためにオリーブオイルを選んでいる消費者は完全に裏切られていることになります。
なぜこんなことがまかり通るのでしょうか?
多田氏の解説を続けます。
オリーブオイルの品質規格を決めるのは国際オリーブ理事会(IOC)ですが、この組織が行っている品質認証制度の運用は極めて杜撰で、生産国以外の第三者機関によるチェックが行われていません。
「自分が作った商品の良し悪しを、自分たちが認証して売る」という事です。
彼らは「心配なら日本独自の基準やルールを作ればいい」と主張していますが、実際に流通しているオイルの大半が欠陥オイルという現状を見れば、私はIOCの姿勢は世界中の消費者に対する詐欺行為に他ならないと思う。
私としては「エキストラバージン」でも何でも、世で宣伝されている健康作用が期待できるオイルであれば問題ありません。
その健康作用も「それなりに」でOKです。
ただし、体に良くないのだけは勘弁してほしいです。
「大半は欠陥オイル」という話もある以上、日本独自の規制を作る必要があるのかもしれません。
ネットが普及した現在では、「これは本物。良いオリーブオイル」といった情報を発信している人もいるでしょう。
今後は私もアンテナを張っておきます。
↓のページでは、山嶋哲盛医師が勧める安全で健康に良い油(ごま油やこめ油など)をまとめています。オリーブオイルもあります。
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