腫瘍マーカーは、がんがつくる物質や、がんに対し体が反応して発生する物質を調べるものです。
主に血液検査時に計測され、がんの兆候や進行度などを知る基準になります。
がんによってチェックする項目は違います。主なものを以下にまとめます。
※このコンテンツは東京医科歯科大学医学部付属病院の検査基準値を参考にしており、数値は記事作成時点のものです。今後変更される可能性があります。
消化器系がん
検査項目CEA 基準値5.0ng/ml以下
CEAは本来、胎児の消化器細胞にだけ見られるタンパク質です。がん細胞が増殖している組織内でも増えます。
消化器系の腫瘍マーカーとして広く利用されています。
肝臓がん
検査項目αフェトプロテイン 基準値10.0ng/ml以下
αフェトプロテインもCEAと同様に、胎児に見られるタンパク質です。
出生後は減少しますが、肝臓がんになると増加します。
卵巣がん
検査項目CA125 35.0u/ml以下
CA125は卵巣がんで増加する腫瘍マーカーです。
卵巣がんの早期発見だけでなく、がんの進行度、再発の予測、治療の効果測定などにも利用されます。
乳がん
検査項目CA15-3 27.0u/ml以下
検査項目BCA225 160u/ml以下
すい臓がん
検査項目CA19-9 37.0u/ml以下
CA19-9は膵臓、胆のう、胆管がんなどの消化器系がんの腫瘍マーカーです。
がんの発見に有効活用されている腫瘍マーカーですが、欠点も指摘されています。
そこで注目されるのが血液検査によるがん診断です。
次のコンテンツでは、その血液検査について紹介します。
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がんの血液検査 13種類のがんの有無を判別可能
現在では広く使われている腫瘍マーカー検査ですが、がん全般においては早期発見に向いていないとされています。
初期のがんであってもマーカーの数値が上昇せず、がんでなくとも数値が上昇するなど、精度においても不確かなケースもあります。
そこで現在、がん診断の新手法として注目されているのが血液検査です。
血液中のマイクロRNAという物質を分析することで、早期がんを発見する方法です。
このコンテンツを作成している時点ではまだ研究段階ですが、早期の実用化が期待されています。
1滴ほどの血液があれば、下に挙げる13種類のがんの有無がわかるという、画期的な検査法です。
この中でも乳がん検査については特に進んでいて、分析装置があれば、血液採取から1時間程度で結果が判明します。
しかも約90%の精度で早期乳がんを発見できるのです。
現在の乳がん検査として主に行われているマンモグラフィは痛みが大きく、女性が検査を敬遠する原因となっています。
マイクロRNAを利用した診断法が実用化および普及すれば、そうしたデメリットもなく、しかも精度の高い検査を受けられるようになります。
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