2008年は、はしかについてあまりニュースになりませんでしたが、同年4月末の時点で患者数はすでに5千人以上になっていました。
07年は10代~20代の若者にもはしかが大流行し、早稲田大学も休講になっています。
はしかは脳炎の併発が怖い 致死率も上がる
はしかで怖いのは、脳炎を併発することです。
はしかと脳炎が合併すると致死率は15%に上り、死亡しない場合でも、神経系の後遺症(異常行動や、マヒなど)が20~40%の患者に残ります。
07年のはしか患者で脳炎を併発したのは10~20代の9人で、今年も10代の女性と20~30代の男性の合計4人が脳炎を併発しています。
04年には、はしかを発症した28歳の女性が脳炎を併発して亡くなっています。ちなみにこの女性にはワクチン接種歴が無く、はしかの抗体を持っていなかったそうです。
一般に感染症で重篤な症状になるのは高齢者というイメージがありますが、はしかでは年齢による症状の差はありません。また、妊婦がはしかにかかると流産の危険性が高まります。
はしかを予防するには「二度はかからない」は間違い
それでは、はしかはどのようにすれば予防できるのでしょうか?
第一には予防接種を受けることです。賛否両論ありますが、私としては接種を受けたほうが良いと考えています。
予防接種以外の予防法としては、手洗いやうがいなどいわゆる一般的なものがあるくらいです。
「はしかは一度かかると二度とかからない」と言われていましたが、これはどうやら間違いのようです。
食事や睡眠などを管理して免疫力を落とさないようにする心がけも必要でしょう。
はしかの認知率「どんな病気か知らない86%」
日本では2007年からはしかの発症例が急激に増えています。
関東地方から全国に流行し、07年7月末時点で全国の高校や短大、大学など約170校が休校し、1600人以上がはしかに罹患しました。
この年ははしかのニュースがとても多かったのですが、私は当時「麻疹は昔の病気」というイメージがあったので「いまどき麻疹か・・・」と驚いたのを覚えています。個人的に麻疹について認識が非常に薄かったのです。
こうした傾向はどうやら私だけでは無いようで、若い世代の人にも共通しているようです。
国立感染症研究所感染症情報センターが07年に11月27日、高校2年生33人を対象に麻疹についてアンケートをとりました。
それによると
麻疹はどんな病気か知っているか?
・はい12% いいえ86%
麻疹には特別な治療法がなく、ワクチンを受けて予防するのが最も大切な病気と知っていたか?
・はい33% いいえ67%
麻疹は脳炎にかかると約15%が死亡し、20~40%に重度の後遺症が残ると知っていたか?
・いいえ100%
といった結果が出ています。
33人だけの調査ですが、一般的な認知度もおそらくそれほど大差はないと私は感じます。