うつ症状と睡眠時無呼吸症候群(SAS)には密接な関係があります。
SASの代表的な治療法である持続的気道陽圧法(CPAP)が、うつ症状の改善に非常に効果的だという研究結果が「臨床睡眠学ジャーナル」誌の07年10月号に発表されました。
SASの治療でうつ病が劇的に改善 米国の調査
この研究はアメリカフロリダ州の大学地区睡眠センターのシュワルツ医師らによって行われています。
シュワルツ医師らは、うつ症状のあるSAS患者32人に1年間CPAP治療を施しました。その結果、うつ病が持続的かつ劇的に改善したのです。
SASとうつ病の関連性が強いことは長年指摘されており、今回の発表はそれを裏付けるものです。CPAPは比較的簡単な治療法なので、うつに悩む人には朗報です。
SASでは就寝中に呼吸が停止します。肥満の人に多いのは、仰向けに寝るとノドがたるみ、気道をふさいでしまうからです。
本人は気付いていませんがこの状態では覚醒状態になっています。そのために睡眠不足になり昼間猛烈な眠気を感じたりします。
運送業など、車両を運転する仕事では眠気から事故を起こす可能性もあります。
SASはうつに限らず深刻な事態を引き起こすのです。
予防・改善にはなによりも適正体重を保って太りすぎないことです。
うつ傾向が血液検査で判断できる? 広島大学大学院の研究
うつの症状は本人でも気づきにくく、周囲の人間も「ちょっと様子が変だな」程度の違和感しか感じないことも珍しくありません。
血圧や血糖値のように客観的な指標が無いので、判断が難しいのです。
しかし今後は、そうした状況が改善されるかもしれません。
広島大大学院などの共同研究グループが、うつ病の指標になりうる物質を世界で初めて発見しました。
広島大、鬱病の客観的な「指標」を発見
headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110831-00000515-san-soci
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この記事のポイントをまとめます。
■脳内には「脳由来神経栄養因子(BDNF)」というタンパク質がたくさんある 研究チームは、このタンパク質をつくる遺伝子に注目した
■この遺伝子の中で起きる「メチル化」という反応を見ると、うつ病患者だにけ特有のパターンが確認された 過度のストレスが異常なメチル化を引き起こしたと考えられる
■今回の研究成果が実用化されれば、費用は1万5千円程度、2日間で結果を知ることができる
今後研究が進めば、健康診断の血液検査だけでなく、献血でも「あなたはうつの傾向があります」といった診断が可能になるかもしれませんね。
うつ病は自殺の原因にもなりえます。
血液検査でうつの兆候を発見し、早めに対処すれば、命にかかわる最悪の事態を防げるわけです。
今後研究の進展が期待されます。