1980年代になって、植物の中にはビタミン・ミネラルなどとは異なる、人体に有益な物質が含まれていることがわかり、「ファイトケミカル」と名づけられました。
この「ファイト」とは「闘う」という意味ではなく、ギリシャ語で「植物」を意味しています。
抗酸化作用を及ぼすファイトケミカル 摂取すればより健康的に 一日の必要量は
炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルは五大栄養素と呼ばれています。
食物繊維が第六の栄養素であり、ファイトケミカルは第七の栄養素と称されています。
ファイトケミカルは野菜や果物に多く含まれており、カロテノイド群、硫黄化合物群、ポリフェノール・フラボノイド群と分類されます。
ファイトケミカルには数千種類あり、主な働きは活性酸素を消去する抗酸化作用です。（先述のように、ここでの「ファイト」とは「植物」なのですが、ある意味「闘う」と言えなくもないような）
活性酸素は老化やがん、動脈硬化などを促すとされる、人体にとって有害な物質です。
ファイトケミカルはその他の栄養素とは違い、不足して欠乏症を起こすことはありません。
しかし摂取すれば健康的な生活を送る大きな助けになります。（下の記事ではアボカドの例を紹介しています）
ファイトケミカルの一日の必要量は野菜で350g以上と果物で200gで摂取できるとされています。
「色の濃い野菜」を意識してとりましょう。
アボカドは口腔がんに有効か アメリカの調査 がん細胞を標的にする作用
アボカドはがんを予防する作用があるかもしれないという研究成果がアメリカのオハイオ州立大学により発表されました。
オハイオ州立総合がんセンターのダンブロシオ博士らはアボカドのファィトケミカルに関する報告や研究を分析しました。
その結果、アボカド成分の分子メカニズムは前がん状態の細胞やがん細胞を特定の標的にし、アポトーシス（細胞死）を起こすことがわかったのです。
この作用は口腔がんに特に有効であることが確認できています。
日本でもアボカドの人気が高まっているので注目される研究結果です。
アボカドに含まれている栄養素としては脂肪分が多く、この脂肪分は不飽和脂肪酸なのでコレステロールの心配はありません。
ビタミンEも多く、アボカド一個半で成人男性が必要なビタミンEを摂取できます。
果肉の緑色が茶色に変色するのを防ぐには、レモン果汁など酸性のものをかけましょう。
「アボカド」って、ナワトル語で「睾丸」を意味する「アワカトル」が語源なんだとか。（抗がんだけに…）
ちなみにアボカドのでっかい種は、意外と簡単に発芽させて観葉植物になります。
種を洗剤でよく洗い、半分ほど水にひたしておき、水は時々取り換えます。夏なら一週間ほどで根がでるので、それから鉢に植え替えればＯＫです。
