05年3月現在、人が寝たきりになる原因として、脳血管障害が39%で一番多く、骨粗しょう症による骨折が18パーセントで第2位になっています。
特に女性は骨粗しょう症に気をつけなくてはいけません。
症状や対策に有効な栄養や運動などを以下にまとめます。
骨粗しょう症の症状 身長の低下チェック法 いつの間にか圧迫骨折も
骨粗しょう症が多いのは閉経後の女性です。
典型的な症状のひとつに身長の低下があります。
両手を広げた長さと身長を比べて、身長が二センチ以上短い場合、骨粗しょう症で背骨がつぶれて身長が低くなっている可能性があります。
骨粗しょう症は最初に背骨に影響が出ます。骨がもろくなって体重を支えられなくなり圧迫骨折が起きるのです。
しかもこの骨折は、痛みなどの症状が出ないケースが三分の二もあります。気づかないうちに症状が進行するので恐ろしいのです。
骨粗しょう症対策になる栄養素 カルシウムその他
カルシウムが不足すると骨粗しょう症になることはよく知られています。
閉経後の女性が骨粗しょう症になりやすいのは、カルシウムの吸収を促す女性ホルモンの分泌が減ってしまうからです。
骨量を維持するには、カルシウムと共にビタミンDとビタミンKを積極的にとる必要があります。
ビタミンDは吸収されると貯蔵型となり、半分に減るまで4-5週間かかり、長く血液中を循環するので毎日規則正しく摂る必要はありません。
ビタミンDはサバ、サンマ、イワシに多く含まれています。
ビタミンKは骨の形成を促進する作用があり、納豆、キャベツ、小松菜などに豊富に含まれています。
必要な栄養素まとめ
骨粗しょう症を防ぐためには次のような栄養素を欠かさないようにしなければいけません。
・カルシウム
とにかくこれを摂取しないと話になりません。一日あたり成人男性であれば650mg、成人女性であれば800mgは摂取したいところです。
・ビタミンD
カルシウムの吸収効率を高めてくれます。1日の摂取基準量は5マイクログラムです。
・マグネシウム
骨の正常な代謝を維持する働きがあります。高齢の女性であれば1日300mgは摂取したいところです。
・ビタミンK
骨からのカルシウムの流出を防いでくれます。(ただし、サプリなどで大量に摂ると貧血や血圧低下を引き起こすことがあります)
・イソフラボン
女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ているため、カルシウムの吸収を助けます。
カルシウム吸収を妨げるNG食品
おすすめの食品がある一方で、NGなものもあります。
以下のような食事はカルシウムの体内蓄積を妨げてしまうのでNGです。
・糖分のとりすぎ(カルシウムが尿中に排泄されやすくなる)
・カップめんなど加工食品をよく食べる(食品中のリンがカルシウムと結びついて排泄されやすくなる)
・塩分摂取量が多い(カルシウムの利用効率が悪くなる)
骨に刺激を与える運動も大事 プールでの運動はNG
骨粗しょう症を防ぐには、必要な栄養素を摂ると同時に適度な運動も必要です。
骨を強くするには、骨にある程度の刺激を与えることがポイントになるので、重力のかかる地上での運動しなくてはいけません。
通常の歩行よりもエアロビクスなどの有酸素運動(水泳は除きます)をすると効果的です。
水中でのウォーキングなどは重力の負荷が少ないため、骨を強くする効果は期待できません。
水中にいる時間の長いシンクロナイズドスイミング選手は骨密度が普通の人よりもずっと少ないそうです。
骨粗しょう症は女性に多いというイメージがありますが、男性にも発症します。
筋肉量が少なく、やせ型の男性は特に高齢になってから骨粗しょう症になりやすいと言われています。