両親や祖父母がうつ病にかかった経験があると、子供や孫がうつ病になる確率が非常に高いことが、米コロンビア大学による20年以上にわたる追跡調査の結果わかりました。
 
両親・あるいは祖父母に病歴がある人の54%が10代になる前に何らかの不安神経症を発症しています。通常の確率は11%です。

反面、日本のある統計では、親がうつ病であっても子供がうつ病になる確率は10%ほどであるとされています。
 
この件と関連して、(日本では)一卵性双生児ではひとりがうつ病を発症すると、もうひとりも70%~80%の割合でうつ病を発症するそうです。
 
一卵性双生児の方が親子よりもうつ病になる確率が圧倒的に高いのは、一卵性双生児はお互いの遺伝子が全く一緒だからです。
 
結局のところ、現代の医学ではうつと遺伝の関係はよくわかっていないことが多いのです。原因も確定的なことをいうのはなかなか難しいのです。
 
男女のカップルのどちらか(あるいは両方)がうつを発症したことがある場合、妊娠をためらうことがあります。
 
子供に遺伝しないかと心配になる気持ちはわかりますが、これこそまさに「案ずるより生むがやすし」ではないでしょうか。
 
仮に子供が発症したとしてもうつは治るものですし、経験者として付き合うことができれば何も問題はありません。

冬季性(季節性)うつ病とは

1984年、米国の精神科医が季節によってうつ症状が出る患者の研究を行いました。
 
夏には発症しないのに冬になると症状がでるうつを「冬季性うつ病」と名づけたのです。
 
冬季性うつ病は10月後半から翌年3月ごろにかけて発症することが多いようです。20~30代の女性に最も多く、一度発症すると毎年冬に発症するようになります。
 
症状には
 
無気力感 強烈な眠気 食欲の増加
 
などがあります。
 
冬季性うつ病は「季節性うつ病」とも呼ばれます。
 
私が以前読んだこの病気に関する本には、ある大学教授(男性だったと思います)の例が出ていました。
 
この教授は冬季性うつ病で、暖かい季節(春~秋)は普通に講義を行い、生活も普通に送れるのですが、冬になると全く活動できなくなります。
 
うつ状態で活動できなくなるため、冬が来るとその教授の授業は全て休講になってしまうのだそうです。そして春が来たら教授が活動できるようになるため、また講義が再開します。
 
冬季性うつ病には日照時間が関っているようで、日本では日本海側など冬場に雪が多く、曇天が続く地域に多発するとされています。
 
早寝早起きを心がけ、日照時間帯での活動を長くすることで症状は改善するそうです。
 
ちなみに「夏季うつ病」もあるそうですが、冬季性に比べると数は少ないようです。
 
うつ改善法まとめ