睡眠の質や美容に関心のある方なら、「お肌のゴールデンタイム」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは夜10時から深夜2時を指すことが多く、この間に睡眠をとっていれば成長ホルモンの働きで美肌作用が期待できる、というもの。
この「ゴールデンタイム」は、半ば常識になっている感もありますが、睡眠改善インストラクターの鍛冶恵さんによると、この「ゴールデンタイム」は真っ赤なウソなのだそうです。
といっても、この時間の寝ても肌に良い効果はない、というわけではありません。
正確には
朝でも夜でも、成長ホルモンは睡眠中に必ず出る
のです。
夜が近づくと眠りを誘うために分泌されるメラトニンや、明け方に覚醒を促すコルチゾールといったホルモンは、時間に依存して分泌されます。
対して成長ホルモンは、時間帯に関係なく、眠れば分泌されます。寝て最初に発生するノンレム睡眠時に大量に発生するのです。
なので、夜10時から、などとこだわる必要はなく、睡眠をとればいつでもOKなのです。
ただし、いつでもいいとはいっても昼夜逆転の生活はやはりおすすめできません。
メラトニンなど時間に依存するタイプのホルモン分泌のリズムが乱れますし、夜勤従事者や昼夜が不規則な交代勤務者ではがんの発生率が上がるという調査結果もあります。
いわゆるゴールデンタイムに寝ることは、夜に寝て、朝起きるという規則正しい生活を送る第一歩なので、いまその習慣を身につけているなら、そのままで問題は全くありません。
一方で「夜10までに寝なければ!」と強迫観念を持つ必要もない、ということです。
睡眠の質、長さが十分で、夜に眠れていれば概ねOKと考えて良いのではないでしょうか。