くも膜下出血の症状として強調されるのが、その痛みの激しさです。
「後頭部を突然ハンマーで殴られるような激痛」など、およそ考えられる中でも最大であろう痛みの表現が用いられます。
脳自体が損傷を受けても痛みを感じないのはよく知られていますが、脳の保護膜の一部は痛みを感知できるため、これほどの激痛を感じるのです。
痛みが起きるのは後頭部が多いですが、その他目の奥、首が痛むこともあります。
痛み自体も、意識がなくなるほど激しい痛みから、カゼをひいた時に感じる程度の軽いものもあります。数日間気になるようであれば、CTやMRIの検査を受けるようにしましょう。
その他よく見られる症状としては、激しいおう吐、意識障害、眼底出血などがあります。
くも膜下出血を発症するとそのまま突然死につながることが多く、約20%の患者が数時間以内に死亡するというデータがあります。
一方で、くも膜下に出血があっても、素早い処置により後遺症を残さず完治する可能性も高いとされています。
突然強烈な頭痛を訴えて意識を失う、あるいは激しく嘔吐する、といった症状が見られたら、くも膜下出血と判断し、すぐに救急車を呼びましょう。一刻も早い対処が必要です。
くも膜下出血は働き盛りの50歳代から増加します。
普段から検診を欠かさず、予防するのが何より大事です。忙しさを理由に何も対処していないと、発症を許して取り返しのつかないことになるリスクを増やしてしまいます。