あまり一般的ではありませんが、「舌が痛む」病気がいくつかあります。
よくある「口内炎」ではないケースをまとめます。
重篤なケースもあるので、一応頭に入れておいて下さい。
舌がん リンパ節転移もあり 症状や原因
舌の前三分の二の範囲にできるがんで、舌の縁や下面に多く、シコリや潰瘍として表れます。50歳以降の男性に多く発症します。
喫煙や飲酒、入れ歯などによる舌への持続的な刺激が原因とされています。
舌がんもリンパ節に転移することがあり、また舌は生活の質維持に大きな役割を果たしているので早期発見が大切です。(舌がんに関しては下にも記事を書いています)
舌痛症 症状や原因 大槻ケンヂさんも発症
舌痛症は「検査をしても特に異常は無いが、舌に不快感がある」という何とも厄介な病気です。
「ヒリヒリする」「ザラザラする」「やけどをしたよう」という感覚が舌に起きますが、何かに熱中している時や食事中は不快感が消えることもあります。
舌痛症の原因はよくわかっておらず、金属アレルギー、ホルモンのアンバランス、精神的な理由などが考えられています。
精神的な理由としてはうつ、ストレス、上記の舌がんを気にしすぎるといったことがあります。
ミュージシャンの大槻ケンヂさんも舌痛症を発症しています。(関連記事をご覧ください)
カンジダ症 免疫力低下で舌にも発症
カンジダ症というと性感染症のイメージですが、体の免疫力が低下したり唾液の分泌量が著しく減少した時は舌に発症するケースもあります。
抗菌性のうがい薬や塗布薬、内服薬などで治療します。
舌に異変を生じさせる要因
舌に異変を感じ、次のような要因がある場合は医療機関に相談しましょう。
・歯みがきやうがいをサボって口の中が不潔なことが多い。
・唾液が少なく、ドライマウス気味。
・ストレスをいつも感じている。
舌がん 3~4割は転移も 症状や原因 舌への刺激・喫煙と飲酒 口内炎との違いは
舌がんとは文字通り舌にできるガンのことですが、臓器や消化器のがんに比べると発症率が高いわけではありません。
しかし不幸にして発症した場合、3割から4割はリンパ節に移転するので怖いがんなのです。
また舌がガンに侵されるため、治療後も日常生活が困難になってしまいます。
50歳より高齢の男性に多く、口腔がんの約半分は舌ガンです。
舌がんの原因は「舌に持続的な刺激が加わること」と考えられています。
ここでの「刺激」とは入れ歯などによるものの他に、喫煙や飲酒も該当し、この二つは舌がんの最も大きな危険因子です。
一日に60本以上のタバコを吸い、強いお酒を毎日飲む生活を続けている人は、喫煙・飲酒習慣の無い人に比べて15倍以上も舌がんになりやすいという報告があります。
舌がんが発生すると、いわゆる口内炎に似た潰瘍が舌に形成されます。潰瘍の部分に歯などが当たると痛んだり、酸っぱいものを食べると刺激を感じるところも似ています。
口内炎は吸盤のように輪郭がハッキリしているのに対して、舌がんでは縁の部分がギザギザになっています。
舌がんは舌の側面や下部に多く発生します。いわゆる口内炎らしきものが二週間以上治らない場合は、口腔外科などを受診しましょう。
早期に発見されてリンパ節への移転が無く、適切に治療が施されれば5年生存率は9割近くに達します。