日本では1998年以来、しばらく年間自殺者が3万人を超えていました。
現在は2万人ほどとはいえ、毎日100人近くの方が自ら命を絶っており、何とも痛ましい限りです。
「命を絶たなくて良かった」と思える日が来るかも 田村浩二さん
自殺者の多くは、うつを経験しています。
あなたの周囲に、うつを患っている方はいないでしょうか。
もしもその方が「死にたい」とこぼしたら、あなたはどうしますか?
あなたはおそらく止めるでしょう。
それに対し、相手がさらに「どうして死んではいけないのか?」と聞いてきたら、あなたは何と答えますか?
管理人としては
「あなたが死んだら、私が悲しむ」
「家族が悲しむ」
「これから良いことが起きるかもしれない」
あたりの答えが思い浮かぶのですが、実は「もう少し相手に響く言葉はないかな?」とずっと考えていました。
すると先日読んだある本で、「なるほど!」と感じる言葉に出会ったのです。
「実体験に基づくうつ病対処マニュアル50か条(PR:Amazon)」という本の前書きに、このようにありました。
私があえて言うとすれば、生きていれば、「ああ、あの時死ななくてよかったなぁ」と思える時があるかもしれないということです。
今はいくら絶望的に思えようとも、状況や気分はまた変わるかもしれないということです。
死ななくてよかったなあと思えることは、つまり本人にとって良い出来事です。そんな良い出来事があるかもしれないのに、今慌てて死んでしまってもいいのですか?と私は問いたいのです。
この本の著者田村浩二さんは、自身がうつになり、そして克服した経験をお持ちです。
実際にうつを経験した人の言葉は説得力があります。
うつで思い悩んでいる人は、言うまでもなく追い詰められ、健常者とは違う精神状態にあります。そんな人に対して言葉をかけるのは難しいものです。
ましてや自殺をほのめかす人に対しては、何を言っても無力で、説得力が無いと感じることも多いでしょう。
私自身、言葉に詰まると思うのですが、もしそんな場面に遭遇したら、田村さんの
「生きていれば、『あの時死ななくて良かったなぁ』と思える時があるかもしれないよ」
を借りて、相手に伝えてみようと思います。