がんのリスクと食事が関係することは、現代では常識となっています。
雑誌「週刊新潮」で連載されている「がんの練習帳」に、食事とがんの関係がまとめられていました。
参考になる内容なので紹介します。
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がんの練習帳 (新潮新書)
野菜・果物を十分に 肉・塩分はとりすぎ注意
まず、「がんを防ぐための食事」を大まかにまとめると、
「野菜・果物が不足しないようにして、肉や塩分の取りすぎに気をつけ、バランスよく食べること」
です。
具体的には、以下のとおりです。
(このコンテンツは週刊新潮 2014年 9/4号102ページを参考にしています)
野菜は胃ガン、食道ガンを防ぐ
日本人10万人を10年以上追跡調査した結果、少量の野菜摂取であっても胃がんのリスクを下げることがわかりました。
ただし、たくさん食べてもリスクが大幅に下がるわけではありません。
キャベツ・大根・小松菜は食道ガンのリスクを低下させる
喫煙と大量飲酒などハイリスクの人にはこの効果が特に顕著で、危険性が約8倍から約3倍へと大幅に低下しました。
ハイリスクグループでは、野菜と果物の合計量が1日あたり100g増加すると、食道ガンのリスクが約2割下がるとされています。
野菜・果物を食べても肺ガンや大腸ガンにはあまり効果がない
特に大腸ガンは、最近の大規模な疫学調査でも「関連なし」との主張が増えています。
アブラナ科の野菜が良い
キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、大根、白菜、カブ、小松菜といった野菜ですね。
長野県の調査では、胃がんや大腸ガンを発症した人では、ブロッコリーの摂取が低かったというデータがあります。
アブラナ科の野菜には「グルコシノレート」という、他の野菜にはない成分が含まれています。
消化過程でこの物質がイソチオシアネートという物質に分解されます。
このイソチオシアネートに発ガンを抑える効果があると考えられています。
大豆製品もがん予防効果が見られる
大豆製品に含まれる「イソフラボン」には、乳ガンや前立腺ガンの予防効果があると考えられています。
大豆摂取量の多い日本人は、乳ガン・前立腺ガンの少なさが際立っています。
肉はがんを増やすか?
日本人の肉の摂取量は過去50年で10倍近くになっています。
それに伴い、大腸ガン、乳ガン、前立腺ガンが増加しています。この相関から、動物性脂肪で発ガンリスクが高まると考えられてきましたが、まだ明らかにはなっていません。
ただし、ハムやソーセージなどの加工肉を食べ過ぎると大腸ガンのリスクが上がると指摘されています。