米国ニュージャージー州ロバート・ウッド・ジョンソン医科大学の調査によると、母乳で育てた子供はおねしょをしにくくなるそうです。
 
米国の医学誌「小児科」06年7月号に発表されました。

また別の研究では、母乳育児が子供の肥満を抑制する可能性があるとされています。

おねしょを防ぐ・子供の精神安定

調査対象になったのは一週間に二回以上おねしょをする5~13歳の子供55人と、同年代でおねしょをしない117人です。
 
おねしょをする子供で母乳により育てられたのは45.5%だったのに対し、おねしょしない子供は81.2%が母乳で育てられていました。
 
また母乳で育った子供を調べた場合、おねしょしない子の方がする子よりも母乳による子育ての期間が長いこともわかっています。
 
同大学の研究者は
 
「母乳とおねしょの因果関係がはっきりと解明されたわけではないが、統計的な差は出ている 母乳が精神の発達に優位なことは明らか」
 
と語っています。
 
母乳と精神の発達の関連では、イギリスで「母乳を生後6ヶ月以上与えられた乳児は、将来精神的に安定した子供に成長する」という研究結果も発表されています。
 
この研究では2500人の乳児を16年間追跡調査し、精神状態や行動などを分析しました。
 
その結果、母乳を生後6ヶ月未満しか与えられなかった子供は、より長い期間母乳を与えられた子供に比べて、6歳までに精神的な問題を抱える確率が55%高くなりました。
 
やはり母乳は精神的にも身体的にも子供に良い影響を与えると言えるのではないでしょうか。
 
また母乳で育てた子供は、太りにくいそうです。次の記事をどうぞ。

肥満になりにくい ハーバード大学の調査

米ハーバード大学の疫学調査の結果によると、母乳で育てられた子供ほど思春期に肥満になりにくいそうです。
 
9~14歳の小児5614人を調べてわかりました。
 
 
4ヶ月間授乳期間が延びると、思春期の肥満リスクを6%減少できることが明らかになりました。
 
理由としては、母乳のほうが授乳をコントロールしやすいことがあげられています。人工乳(粉ミルクなど)はつい与えすぎる傾向にあるのだとか。
 
 
これと関連した情報として・・・
 
別のエントリに、肥満になるかどうかは生後8日で決まる、という記事を紹介しています。アメリカのペンシルベニア大学などの研究チームによって05年4月に発表されたものです。
 
赤ちゃん時代の詳しい身体データが残っていた653人を対象に行われた研究によると、生後8日までの体重の増え方が大きい人ほど太りすぎになる率が高いことがわかったのです。
 
成人してからの肥満が、生後のごく初期に決定してしまう可能性があるわけです。
 
これが個人の体質によるものか、与えられる栄養などによるものか、詳しい原因はわかりません。
 
いずれにしろ、母乳で育てられた赤ちゃんは思春期および成人になっても太りにくいということは言えるでしょう。
 
 
こういった内容は過信しすぎるのも良くないと思いますが、参考意見として頭に入れておいてはいかがでしょうか。