高齢の男性でテストステロンレベルが少ない人は、うつ病になりやすいそうです。

「一般精神医学」誌の08年3月号に発表されました。

テストステロン量が低いとうつになりやすく 最大3倍も!

西オーストラリア大学の研究チームはオーストラリア・パースに住む71~89歳の男性3987人の血中テストステロンレベルを調べました。
 
テストステロンの量とうつ病の関連について調べたところ203人がうつ病と診断され、これらの人々はいずれもテストステロンレベルが通常よりも低くなっていました。
 
遊離テストステロンというホルモンが下位20%の人は、上位20%の人に比べておよそ3倍もうつ病になりやすいのです。
 

 
テストステロンは男性の攻撃性や精力に関るホルモンですが、この調査によりうつとの関連も確認できました。
 
離婚や近親者の死、経済的な挫折など大きなストレスを受けると、テストステロンレベルが低くなることがわかっています。
 
いわゆる「元気がなくなる」状態になってしまい、「男性特有の力強さ」とは正反対の状態になるのです。
 
テストステロンは筋肉量を増やすことで分泌量が上がります。
 
ある程度高齢になっても筋肉トレーニングをすることは肉体的な健康を保つだけでなく、精神への良い影響も与えるのです。

うつ病になるきっかけや原因・兆候

うつの多くは、仕事や私生活でのなんらかの出来事がきっかけで発症します。
 
うつの原因になりうる出来事をまとめます。
 
仕事に関すること
リストラ 転勤 転職 人事異動 定年退職 昇進 仕事でのミスやそれによる処分
 
私生活に関すること
結婚 離婚 出産 引越し パートナーとの別れ(死別含む)
 
注意しておきたいのは、昇進や結婚など、一見ポジティブな理由でもうつのきっかけになることです。「良い」ことでもストレスになるのです。
 

 
うつの兆候は睡眠や食事に表れます。
 
睡眠に関しては
 
眠れない 熟睡できない 早朝(朝3時など)に目が覚めてしまう 朝起きてもだるく、気分が重い
 
といった症状が起き、食事に関しては
 
食が急に細くなる 味覚がおかしくなる 食べ物が飲み込みにくくなる
 
といった現象が見られるようになります。

うつを発症すると起きる変化

すでにうつ病である場合、次のような変化が表れます。

・アルコールの摂取量が急に増える。
 
・服装や化粧など外見に無頓着になる。
 
・判断力が低下し、仕事などでミスが突然多くなる。
 
・いきなり泣き出したり、感情が不安定になる。
 
・あらゆる物事への興味が薄れる。
(例)新聞やニュースを見なくなる、趣味だったレジャーやスポーツ、音楽などをパタッとやめてしまうなど
 

 
うつ病の治療は本人だけでなく、周りの人達の理解と見守りが大切です。