2015年4月に松山市で行われた日本水泳マスターズで、世界記録が生まれました。
 
100~104歳の部にただ一人出場した長岡三重子さん(100歳)が、世界で初めて1500メートル自由形を完泳したのです。
 
長岡さんは95歳以降、世界記録を連発していて、25個もの世界記録を保持しています。(2015年5月時点)

(この記事は雑誌週刊文春 2015年5/21号(Amazon)40~41ページを参考にしています)

長岡さんの日常生活と水泳を始めるきっかけ

長岡さんは山口県の田布施町でひとり暮らしをしています。
 
自営業で経営者でもあったため、94歳まで仕事を続けました。経済的には安定しており、時間には縛られない生活です。
 
「寝たいときに寝る」という生活なので、夜更かしして朝寝坊することもあります。
 
55歳から観世流の能を続けていましたが、80歳になって膝を傷めてしまい、リハビリ目的で水泳を始めました。
 
それまで水泳の経験はなく、まずは水中ウォーキングから。
 
リハビリが効を奏し、無事に能に復帰できましたが、次第に耳が悪くなり、88歳で能は断念することに。
 
代わりに、水泳に没頭するようになって、いまでは水泳が中心の生活です。
 
能はやめてしまいましたが、能の動作で腹筋や背筋が鍛えられました。背中が曲がっていないのは、そのおかげなのだとか。

長岡さんの食生活 意外と偏食?

朝は家中の戸を開けて掃除することから始まります。
 
ひとり暮らしですが、長岡さんの住まいは築百年を越す二階建ての旧家です。バリアフリーなどとは全く無縁で、階段も急です。
 
夕方になると開けた戸を閉めて回り、リュックを背負って近所のスーパーまで歩いて買い物へ。
 
三食自炊していて、長男の宏行さんによると長岡さんは

煮豆など好きなものばかり食べて、割と偏食です。量が多くても残さない代わりに、休んでは食べて、1~2時間かけることもある

そうです。
 
そして予想通り(?)、長岡さんも肉を食べています。ただし、本格的に食べ始めたのは95歳からで、それまでは野菜や刺身が好物でした。
 
年間50本以上のレースに出場しており、体力を消耗するからか、すき焼きや焼き肉などの「肉食」を好むようになりました

長寿の秘訣は?

長岡さんが語る、長寿の秘訣はこちら。

体を動かすようにしちょります。特に歩くこと。歩かんと足がダメになる。
 
この前、宏行が入院した時は、病院まで2時間20分かけて見舞いに行きました。

長岡さんは車も自転車も使いません。水泳を始めた当初は、スイミングスクールまで片道およそ1時間を歩いて通ったそうです。
 
今回記録を出した1500メートルを、長岡さんは背泳ぎで泳ぎきりました。
 
タイムはなんと1時間15分54秒!です。
 
本来は短いほど理想的なのでしょうが、100歳で1時間15分も背泳ぎを続けられることのほうが驚きではないですか?
 
よく歩く、肉食、自炊、運動など、ご長寿でも元気な人の生活習慣には共通するところがいくつもありますね。
 
こうした習慣は、人から言われても身につくものではないので、各自で意識して実践したいものです。
 
私はまだ高齢ではないと思いますが、習慣とするべく今からボチボチ意識してみます。